インド進出の中小企業、成功の秘訣
Japan In-depth / 2023年11月21日 23時0分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2023#47
2023年11月20-26日
【まとめ】
・インドの「シリコンバレー」の一つ、ベンガルールを訪問した。
・Synergia Foundation主催のシンポに参加、インドの安保議論は確実に進化している。
・中小企業でも、インドで投資成功の可能性は十分ある。
この原稿はインドのベンガルール発タイのバンコク行の機上で書いている。今の時間はバンコク午前6時前で窓からは美しい日の出が見える。
今週は再び殺人的な日程を組み、一週間でベンガルール夜中着、バンコク早朝着、バンコク発夜行便で羽田早朝着である。あーあ、良い歳をして、何時までこんなことをやっているのだろう。
そもそもベンガルール(バンガロール等様々な呼び方がある)と聞いてピンと来る向きはかなりのインド通だ。インド南部ながら標高950mの高地にあるため気候は温暖、昔から農業で栄えたが、最近は航空機、IT、機会、電気、自動車、宇宙、バイオ、防衛関連といった多くの産業が集まるインドの「シリコンバレー」の一つである。
ベンガルールはカルナータカ州の州都で、人口は1100万人以上。州の総面積が19万平方キロ、総人口も7000万人だから、ざっと日本の半分の土地に日本の半分の人口が住む、中規模国家だ。でもインドは民主主義、同州では中央政府のモディ首相率いるBJPではなく、州政府与党のコングレス党が政治的実権を握っている。
恥ずかしい話だが、ニューデリーからは見えない「インド」が実は各州にあることを改めて実感した。ちなみに、州首相はコングレス党だが、州知事はBJPだ。理由は州知事が中央政府の直接任命だからだが、通常知事は政治的実権を持たないのだそうだ。なるほど、ドイツやイスラエルの大統領と首相の関係に似ていると思った。
このベンガルールにあるSynergia Foundationというシンクタンクが2年に一度の総会を開くということで、今回はお呼びがかかった。詳しい内容を書く時間はないが、インドで外交、軍事、安全保障、先端技術を含む、かくも包括的なシンポジウムが開かれるとは予想していなかった。インドの安保議論は確実に進化しているようだ。
ベンガルールでのもう一つの目的は日本企業、特に中小企業が対インド投資で成功するための秘訣をこの目で確かめることだった。先月はニューデリーで日本のスズキ自動車の工場を見学させてもらったが、ベンガルールでは東京にある中堅IT企業のインド法人「SCII(System Consultant Information India)」にお邪魔した。
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