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アメリカの感謝祭とタイタニック その1

Japan In-depth / 2023年11月22日 18時0分


▲写真:この時期、所狭しとスーパーに並べられるターキー。30〜70ドルくらいだが昨年より高い印象。


筆者提供)


何故か?と視野を広げてみれば、理由は一目瞭然である。


どの店も、一刻も早くクリスマスモードに突入したい感満載なのである。ターキー以外、めぼしい商品が見込めない感謝祭は投資する価値はなく、もはや「よーいどん」の掛け声にしか過ぎないのであろうか。


消費者にどれだけ年末に向けておカネを使わせるかの加速が今年は頂点に来た感がある。息子ですら感じた「節操がない」という感覚はもう古いのか。


とは言え、使わせるだけでなく、消費者の側の鼻息もかなり荒いと言わざるを得ない。


世論調査会社「ギャラップ」によれば、金曜日の「ブラック・フライデー」から始まる今年のホリデーシーズンに米国民が使おうと考えている予算の中央値は923ドルであるという。


特に都市部において、物価高騰の直撃を肌で感じている私としては、その金額の多さに驚くが、それだけ使えるお金がある人が平均的にいるならば、経済は堅調であるのかとの印象をも抱く。


前述した通り、街はすでにクリスマスモードに彩られつつあるが、アメリカにおける感謝祭は、文字通り本来は感謝の日である。


家族、友人が皆で集まり過ごす日でもあり、師走の慌ただしさに比べれば、この時期は皆が優雅に過ごせる期間で、23日の木曜日から日曜日までの4日間は実質連休であり、我が子どもたちに至っては、今週月曜日から日曜まで学校がまるまる7日間休み、という、親からすればありえない迷惑期間である。


サンクスギビング・デーの歴史を紐解けば、17世紀にイギリスから渡ってきた人々が、苦難の生活の中で、アメリカ先住民から施しを受け、それに感謝した祭りであったということが起源の「公式見解」とされる。


初代大統領、ジョージ・ワシントンは1776年に独立宣言、そして1789年11月に、国として最初の感謝祭を祝う宣言をしたが、その後紆余曲折を経て、感謝祭の日が現在の「11月の第4木曜日」になったのは、1941年になってからである。


感謝祭の日のもう一つの主役は、何と言っても、ニューヨークで行われる有名なバルーン・パレードである。


このパレードは、ニューヨークのデパートである「メイシーズ」が1924年に店の宣伝で始めたもので、移民一世が多かった店の従業員たちが感謝を込めてヨーロッパであったようなパレードをやりたい、と集まって始まり、初期には動物などが行進、その後それらが進化した形が現在のバルーン、というわけだ。(出典:Macy's Parade: The History Of The Macy's Thanksgiving Day Parade)


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