日本のTVインタビューで激昂したキッシンジャー氏
Japan In-depth / 2023年11月30日 21時0分
柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)
【まとめ】
・2012年、キッシンジャー氏が日本のテレビ局インタビューで激昂。
・取材目的は、ニクソン大統領補佐官時代の尖閣諸島発言の追認。
・「私の口から中国のことを悪く言わせたいようだが、そういう話が目的だったら協力しかねる」
キッシンジャー氏には、テレビ局のカメラマンとしてインタビュー取材をしたことが2回ほどある。
2回のインタビューはどちらとも、ニューヨーク、パークアベニューのキッシンジャー氏のオフィスで行われた。
手元の記録では、最初のキッシンジャー氏のインタビューは2012年の11月とある。
あの時、キッシンジャー氏は89歳だったと言うことになる。
インタビューは日本のテレビ局の、スペシャル企画番組用のインタビューで、めったに、どころか、まずインタビューできる相手では無いので、局の側はそうとう鼻息が荒かったが、その分、相手への節度に欠けていたかも知れない。
インタビュー用に案内された、キッシンジャー氏のオフィスの応接室に、テレビカメラが2台とスタッフが多数、入り込んだ。何と言っても、相手は重鎮中の重鎮。自分も大層緊張したのは言うまでもない。何しろ、歴史上の人物が、今から目の前に現れるのである。
キッシンジャー氏は、オフィスの自分の執務室から現れ、応接室に入ってきた。当然、お年は召してはいたが、意気軒昂、想像していたより、かくしゃくとしていた印象だった。歴史上の人を目の当たりにした自分は、実のところ、かなりの興奮状態にあった。
2012年の日本は、尖閣諸島の問題で、中国とかなり険悪な状態にあった。
この年9月に東京都が検討していた尖閣諸島の買上げに、当時の政府(野田内閣)が待ったをかけ、結果、政府が埼玉県の地権者から20億円あまりで尖閣諸島を買い上げ、国有としたことで、中国が激しく反発し、民衆も含めた大規模、かつ暴力的なデモにまで発展、中国国内の日本の企業、企業の店舗などが被害を受けた。暴力的なデモの中には官製デモも含まれていた、と言われる。
中国政府の船舶による尖閣諸島周辺への度重なる領海侵犯の頻度は、この時を機に大きくなり、今日まで続いている。(海上保安庁のデータ)
テレビ局のキッシンジャー氏への取材趣旨は、この事態を受け、キッシンジャー氏がニクソン政権の大統領補佐官時代に一言放った、尖閣諸島を巡る発言を追認してもらうことにあった。
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