1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

アメリカに広がる日本の味覚 その1 アメリカに里帰りした日本のりんご

Japan In-depth / 2023年12月1日 7時0分

▲写真 スーパーのリンゴのコーナーで必ずある「Fuji」(筆者提供)





「ふじ」は、青森県藤崎町で、戦前に交配され作られた品種で、土地の名前を取って「ふじ」と命名されたという。「富士山」の富士、でもあると言い、1962年(昭和37年)になって品種登録された。





https://www.fujisaki-kanko.jp/fuji/fuji_history.html





ニューヨーク州で収穫されるリンゴのうち「Fuji」はかなりの割合を占める。





アメリカにおける「ふじ」は今や、日本発祥の宝、とでもいうべき存在で、この「ふじ」は、「国光」というリンゴと「レッド・デリシャス」というリンゴを掛け合わせて作られた品種である。





ふじの片方の親である「国光」は日本の名前であるが、本名は「ラルズ・ジャネット」といいアメリカの品種である。現在はほぼ流通していない品種で、江戸時代にアメリカから日本にもたらされた「アメリカ人」である。その後、1930年代にやはりアメリカ産の「レッド・デリシャス」と試験的に掛け合わせて「ふじ」は出来上がり、1962年に日本で最終的に品種登録された。(参考:ふじりんごの歴史|味の農園)





その後、1980年代になって「ふじ」はアメリカに紹介され、以来、既存のアメリカのリンゴの存在を蹴散らすような、爆発的な人気を得て、こんにちに至る。





「両親がアメリカ人」の「ふじ」は日本で100年近く前に「日本人」として生まれ、その子孫は「Fuji」となって、アメリカに里帰りを果たし、今や、アメリカ全土で愛され、生産されるリンゴの代表格になった。





アメリカに「帰化」「移民」して、定住を果たしたのはリンゴだけではない。





*大根





「Daikon」の名前が定着しつつある。ちゃんと「大根」の名前が定着しつつある。見栄えは悪いが今や立派な「移民」である。









▲写真 大根。見た目は悪いが、アメリカ野菜と一緒に普通に売られている(筆者提供)





*やはり秋の味覚、日本の柿





以前はアジア系のお店でしか見かけなかったが、私の地元の八百屋には昨年辺りから普通に並んでいる。「富有柿」「蜂屋柿」。ともに岐阜県出身のこの柿、日本から輸入されているのかと思ったのであるが、両方とも今や立派な「アメリカ人」で、Fuyu Parsimmon(富有柿)、Hachiya Parsimmon(蜂屋柿)として主にカリフォルニアで生産されている。









▲写真 カリフォルニア産富有柿(上)と蜂屋柿(下)「柔らかくなったら食べ頃」の表記(筆者提供)









この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください