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米軍、有事には北朝鮮軍事衛星を無力化

Japan In-depth / 2023年12月4日 13時13分

米軍、有事には北朝鮮軍事衛星を無力化




朴斗鎮(コリア国際研究所所長)





【まとめ】





・北朝鮮が発射、軌道に乗せた軍事衛星は事実上軍事的価値はほとんどない。





・とはいえ、昼時間には米空母の位置ぐらいは識別可能で、米軍にとって全く脅威がないとは言えない。





・米国は対衛星兵器でいつでもこの軍事衛星を除去できる。





 





北朝鮮は11月21日夜10時42分28秒に、金正恩総書記が参観する中で、軍事衛星「万里鏡1号」を新型ロケット「千里馬1型」に搭載して、平安北道鉄山郡(ピョンアンブクド・チョルサングン)の衛星発射場から奇襲的に打ち上げた。





翌日の22日、朝鮮中央通信は、万里鏡1号を軌道に正確に進入させたと報道し、「軍事偵察衛星打ち上げに成功した」と公開した。後続報道では、「万里鏡1号が撮影したグアム・アンダーセン空軍基地の衛星写真を金正恩が確認した」とし、「金正恩が、いまや万里を見下ろす目と万里を叩く強力な拳をすべて手中に収めたと述べるとともに、より多くの偵察衛星を運用すべきだと強調した」と伝えた。北朝鮮は12月1日より正式運用するという。





北朝鮮は、数十年にわたって開発してきた弾道ミサイル技術で小型衛星を打ち上げるのには成功したが、しかし軍事衛星として実用化するのはこれからだと見られている。





■ 万里鏡1号軍事衛星の性能





韓国の一部報道機関は、万里鏡1号衛星の性能(解像度)が、3~5メートル級の解像度とし、地上の物体が自動車なのか戦車なのかの程度は見分けられる程度と報道したが、これは、今回の軍事衛星を過大評価したものだと指摘されている。





衛星写真で適用する解像度の定義によると、3~5メートル級解像度では、自動車や戦車は、それぞれ1つの点、すなわち画素を決める最小単位である1ピクセルとして衛星写真に現れるので、自動車と戦車を区別できない。





この点についてキム・ファンロク元韓国国防情報本部長は次の通り指摘した。





「北朝鮮地域に配備された砲や戦車の種類、例えば一般トラックなのか放射砲なのか、または、延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発の主力である122ミリ放射砲なのか、首都圏を脅かす240ミリ放射砲なのか、そして自走砲なのか戦車なのか、長射程砲拠点にイスカンデル型(KN-23)ミサイルや超大型放射砲(KN-25)数基が突然密かに配備されたものなのか?などを分別でき、早期警報が可能な軍事偵察衛星の解像度は、最小限30センチメートル以内の高解像度だけが可能だ。40~50センチメートル級の解像度でも武器の種類を区別するのは難しい。さらに30センチ級以内の高解像度軍事偵察衛星写真でも最小5~10年以上の経歴を持つ熟練した映像専門家と情報分析官だけが評価と判断が可能で、誰もができるものではない。





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