犯罪に巻き込まれるより恐ろしい、脆弱なNYのインフラ
Japan In-depth / 2023年12月17日 0時7分
ニューヨークは世界の先端を行く都市、とされながらも、ビルに限らず、インフラなどの実態はかなりボロい。とにかく呆れるくらい何でもボロい。
地下鉄のホームは、膨大な数の通勤客をさばくには狭く、混雑が激しくなると線路に落ちそうになる。実際、転落事故も起きている。
大雨が降ると地下鉄の階段からは濁流、天井からも滝のような水が降ってくることもある。今年10月に降った大雨ではまさにそういうことが繰り返された。これも、大雨が降ると毎度、おなじみの光景となってしまっている。
ニューヨークに来たことがある方ならおわかりになると思うが、街の汚さに加え、道路はでこぼこ、穴だらけ。
ロバート・デ・ニーロ主演の映画「タクシードライバー」の冒頭シーンで描かれる、ニューヨークの道路から湧き上がるスチームは、NYのイメージの一つとなったが、あれは、古いシステムに、温水(スチーム)を供給しているパイプが古く、穴が空いて、結果蒸気が道路に漏れ出しているだけなのだ。つまり単純にボロい。
あの映画から50年近く。
まさか観光客のために放置しているのでは無いかと?思うくらい、今でも状況は変わっていない。
写真)NYの名物?道路から上がる蒸気。実は、古くて穴が空いたパイプからスチームが漏れ出してるだけ
筆者撮影)
2007年には、その道路の高圧スチームパイプが爆発、レキシントン・アベニューに10メートルの大穴が開き、死者1人、20人以上が負傷、という事態も招いている。(参考:Steam Pipe Explosion Jolts Midtown; One Person Is Confirmed Dead - The New York Times)
同じスチームが原因で、重さ200キロ以上のマンホールの蓋が10メートル以上宙に舞い上がったことも「何回か」あった。マンホールの蓋に、地下のどこからか電気が漏電していて、上を歩いた散歩中の犬が感電死した、という信じられないことが起きたこともある。道路関連のトラブルは上げればきりがない。
とにかく、何でもボロい。日本人から見ると、NYのインフラは日本より100年は遅れているのではないか、と思ってしまう。
道路の穴、ビルの倒壊、地下鉄の浸水、など、いつまで経っても一向に事態が改善せず、また、毎度同じことが繰り返される。
なぜ、NYではそういうことが多発するのか。
写真)NY市内の道路はどこも穴だらけ、ヒビだらけ
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