政治不信は頂点に達する【2024年を占う!】内政
Japan In-depth / 2023年12月31日 17時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・2023年は、政治スキャンダルのオンパレード。
・安倍派裏金疑惑の操作続くも、岸田政権は続く。
・派閥解消、政治とカネの問題をどうするか、岸田首相の胆力が試されている。
ジョン・アクトンの「権力は腐敗する」の格言通り、2023年は政治スキャンダルのオンパレードだった。
秋の政務三役辞任ドミノに続き、自民党安倍派の裏金疑惑が噴出、現在進行形で検察が動いている。
安倍晋三氏が生きていたらこうなっていただろうか?そう思った人は多いだろう。しかし、そんな「たられば」、今となっては何の意味も持たない。
深刻なのは、政治への信頼が地に墜ちたことだ。
国会議員は英語では“lawmaker”と呼ばれる。当たり前だが、「法律を作る人」だ。そのlawmakerが法律を破ってどうする。国民の怒りはその一点に集中している。
2024年、東京地検特捜部は正月休み返上で裏金疑惑のある議員の事情聴取などを続けるだろう。1月下旬予定の通常国会開会前までに、裏金システムの実態解明が出来るかどうか注目される。
仮に起訴されるのが会計責任者だけ、などということになると、国民の間に失望感が広がるのは間違いない。結局、トカゲの尻尾切りで終わるのか、となり、自民党の支持率はさらに下がる。
一方で、岸田政権が倒れないのは、火中の栗を拾う者が党内にだれもいないのと、「本当に100%身ぎれいな議員なんていない」(自民党幹部)ので、岸田氏の代わりがいないからだ。
同時に悲しいのは、この自民党のていたらくを目の当たりにしても、「野党に政権を任せよう」という気持ちに全くなれないことだ。ここに国民の不幸がある。
最大野党の立憲民主党は共産党と選挙で連携を模索している。日本維新の会は野党共闘には否定的で、国民民主党は今年分裂。その他大勢もいる。こんな星雲状態では、政権交代などとても無理だろう。
国民はといえば、即効性のない減税などには関心が無く、目の前の物価高と、ガソリンを含むエネルギー費の高騰、社会保障費の負担の重さで青息吐息だ。庶民は政治に関心を持つどころか、生きていくのに精一杯という状況だ。マンションブームで多額のローンを組んだ人達は、今後起こりうる金利上昇にどう対応しようか、頭がいっぱいだろう。新NISAどころではないのではないか。
よって2024年のどの選挙も投票率は下がること必至だ。となると組織票のある与党が勝つ、という皮肉な結果になるだろう。
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