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鮎川義介物語⑨ 「アジを釣りに行ってクジラが釣れた」

Japan In-depth / 2024年1月12日 11時0分

鮎川が前向きな姿勢を示したのです。政府が本腰を入れて、満州の重工業を開発するなら、日産としても、ぜひ参入したいと言い始めました。





自動車産業に絞った投資には消極的な姿勢を見せましたが、重化学工業全体での開発なら「引き受けたい」との意向を示したのです。日本の事業を投げ打って全面支援するといいます。





星野は想定以上の返事に驚きました。まさか、「アジを釣りに行ってクジラが釣れたようなものだ」と心の中でつぶやいたのです。





「まさしくその通りです。鮎川さんの夢をぜひ、実現したいと思います。日本政府は喜んでご協力します。夢を実現するための青写真をつくってくれませんか」。





「分かりました。2-3日後にうちに来てください」





午後7時、星野は日産館を離れました。帰路歩いた日比谷公園は、春独特の雰囲気が漂っていました。満天の空には星が輝く。星野は空を眺めながら興奮しました。鮎川さんが了解してくれた。本当に良かった。宿舎に戻った後、すぐに満州の各方面に電報を打ちました。





(その⑩につづく。①、②、③、④、⑤、⑥、⑦、⑧)





トップ写真:オフロードのレースを走るフォードV8。アメリカ自動車産業の技術力の高さを鮎川は知っていた(1935年)出典:Photo by National Motor Museum/Heritage Images/Getty Images




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