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極寒の冬海に40分間浸かり、なお生存!低体温サバイバルの真実

Japan In-depth / 2024年1月17日 23時0分

男性は釣り目的で相馬市松川浦に来ていた。相馬市は知る人ぞ知る有名な釣りスポットだ。東日本大震災後、漁獲制限されていたことで海産資源が回復した。面積当たりの魚の数量がなんと震災前後で8倍に増えている。





海が豊かになった原因はそれだけではない。伊勢エビやトラフグ、タチウオなど南方に生息していた魚種も20倍にまで増えている。これは気候変動による海水温の上昇が原因だと推測されている。





福島第一原発の処理水による風評被害が懸念されたが、釣り人にはどこ吹く風。釣りのメッカには県外からも大勢の釣り人がやってくる。前泊や車中泊で早朝の出船を待つ人も多い。男性は夜釣りが目的だった。慣れない土地でも釣り人はピンポイントを狙うそうだ。





暗い場所でバックしようとしてアクセルを強く踏み過ぎた。そのまま崖から落ちた。バックする際、ドアを開けたままにしていたそうだ。それが功を奏した。ドアを閉めたままだと、水圧でドアは開かなくなる可能性が高い。ちなみに、ハイブリッド車や電気自動車だと漏電する危険性はないのだろうか?国産車ではそのような報告はないそうだ。すぐにシャットダウンできるという技術のお陰だそうだが、逆にすぐに電気系統は停止されてしまう。海に沈んだ車であった場合、何も反応しなくなるわけだ。男性の運転した車種は確認できていないが、現代の車であった可能性は高い。ドアが閉まった状態であれば、脱出できなかったかもしれない。余談だが、完全に車内が浸水してしまえば、内外圧差がなくなるためドアは開き得るらしい。





しかし、冬の海の車中で内外圧差がなくなる状態まで待つ…想像したくない。





男性はドアを開けたままバックしたことで九死に一生を得た。





男性が肥満していたこともラッキーだった。身長178cm、体重96kg。過度な脂肪が命綱だった。そして、一緒に来ていた釣り仲間もいた。その彼が救急要請してくれた。一人で夜釣りに行ってはいけない。これも今後の教訓になるだろう。





医師になって25年になるが、低体温症の診療をしたのは初めてかもしれない。臨床医としてのほとんどの期間を大阪、東京などの都会で過ごしたからだ。当日、相馬中央病院の同僚の齋藤宏章医師が駆けつけて来てくれた。忘年会の二次会を抜け出してきたため、少しホロ酔いではあったが。彼は北海道の北見赤十字病院で初期研修を行った。相馬市より寒さが厳しい北見市では路上で行き倒れになっている低体温患者を診ること日常茶飯事だったそうだ。





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