極寒の冬海に40分間浸かり、なお生存!低体温サバイバルの真実
Japan In-depth / 2024年1月17日 23時0分
ポイントは
(1)基礎疾患を見逃すな
(2)蘇生方法の違いを理解せよ
だそうだ。
低体温だと薬物が代謝されないため、薬が効かないということも盲点だった。つまりブドウ糖の点滴も意味がない可能性があるということだ。また重症度に応じた治療をしないといけない。体表だけを温めると、深部体温が急激に下がり、重症不整脈を発症することがある。権威である齋藤医師の存在は非常に心強かった。地方でしかできない経験を持っていることは医師として「強み」だ。今回の男性もリスクはあったが、若さと肥満に救われたのかもしれない。
この文章を書いている1月7日、能登地震による被災はまだまだ生々しい。日本海ではこれから雪も降るだろう。低体温症になる患者さんもいるかもしれない。考えたくはないが、津波の影響で水没することもあるかもしれない。都会にいる臨床医は低体温症に出会うことは決して多くない。しかし、雪国に住んでいるからといって低体温症を診療する機会が多いとは限らない。経験上、東北以北の方が空調や暖房設備が整っていて、対策されているし、繁華街のない地域では夜に出歩くことも少ないからだ。私は東京下前で訪問診療もしているが、患者さんの家は軒並み寒い。下町の長屋のような造りは夏の風通しには適しているが、冬はとても寒い。もしかしたら軽度の低体温症を見逃しているかもしれない。
また、釣り人など趣味人は、少々無理をしがちだ。万難を排して趣味を全うするための行動を取る。気持ちはわからなくもないが、ハンマー搭載、仲間とともに行動する、土地の情報収集など下準備を怠らないでほしい。
貴重な経験を共有していただき、お役に立てれば幸いである。
(本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会Vol.24005 “極寒の冬海に40分間浸かり、なお生存!低体温サバイバルの真実”の転載です)
トップ写真:イメージ(本文とは関係ありません)出典:rbkomar/GettyImages
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