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年越しの風情くらいは残したい 続【2024年を占う!】その5

Japan In-depth / 2024年1月20日 23時0分

その有吉の司会がぐだぐだで評判が悪く、当人も放送終了後に「ド緊張した」とコメントしていたが、ふてぶてしさに目鼻を付けたようなイメージの彼にそう言わしめるのだから、よくも悪くも芸能人にとって紅白は特別な場なのだろう。女性アイドル歌手など、感極まって泣き出してしまった例が結構ある。





司会者のせいかどうかはともかく、視聴率は過去最低を更新してしまった。





ビデオリサーチ社の調べによると、1部、2部ともに低調で、とりわけ2部は史上初めて30%を切る結果になったそうだ(news gooより抜粋)。





たしかに、昭和の時代には70%を超えることも珍しくなかったが、今このような数字を持ち出すことに意味などあるのだろうか。





年末年始は単身世帯も含めて在宅率が高いのだが、今やTV離れの時代で、ドラマなど2桁ならまずまず、15%を超えたらヒット作だと言われている。大河ドラマの『光る君へ』にしてから、初回視聴率が12.7%と史上最低を記録してしまった。





裏番組で、新春恒例の『芸能人格付けチェック』(TV朝日系)が圧勝したという事情もあったのだが、その『格付け』にせよ20%をわずかに超えたに過ぎない。大河に主演している吉高由里子自身、結構『格付け』を見ていたそうで、視聴率で惨敗したと聞いても、





「それは、そうなるわな、という感じ」





などとコメントし、下剋上大河を目指す、と意気軒昂であった。





バラエティも然り。1986年に始まり、38年間続いた『日立 世界ふしぎ発見』(TBS系)も今年3月で放送を終了する。円安で海外ロケの費用がかさむようになり、広告効果との兼ね合いでスポンサーが降板したと伝えられる。今、そういうご時勢なのだ。





話を紅白に戻して、前述のような、TV番組を取り巻く状況を考えたならば、30%近い視聴率は、まずまず立派だと言えるのではないか。





紅白が終わると、NHKでは『行く年来る年』で各地の年越し風景を中継する。





除夜の鐘が鳴って新年となるわけだが、最近では鐘を鳴らすというより、こん、と小さな音を立てるだけで済ませる寺が増えているそうだ。





読者ご賢察の通り、近隣住民からのクレームが来るので、ということであると聞く。





「一晩中、鐘の音が響いては寝られない」





などと、クレームをつける側を擁護するような投稿も見受けられたが、ものを知らない人のようだ。





除夜とはそもそも、旧いものを捨て去る、といったほどの意味で、旧年の厄落としのためにと鐘を百八回撞くのだが、百七回は大晦日のうちに、そして最後に一回を元旦の零時に撞く、というのが一般的なのである。初詣客から申し出があれば「鐘撞き体験」も、ということで百八回以上になる例もあるらしいが、いずれにせよ「一晩中」鐘の音が鳴り響くわけではない。





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