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とりあえず非寛容から抜け出したい 続【2024年を占う!】その6

Japan In-depth / 2024年1月21日 23時0分

乗員たちの機敏にして的確な行動のたまものだと、世界中から賞賛されたが、翌々日、すなわち4日になって、予期せぬ騒動が持ち上がった。





前述のように乗員・乗客は全員脱出できたものの、貨物室に預けられていた2頭のペットが焼死したことが明らかとなり、これを受けて女優の石田ゆり子が、





「いろいろな意見があると思いつつも家族同然の動物たちを機内に乗せる時、ケージに入れて機内に持ち込めることを許して欲しいです」





「生きている命をモノとして扱うことが私にはどうしても解せないのです」





などと投稿。これが大炎上してしまった。結局彼女は、





「言葉が足りなくてごめんなさい」





と謝罪し、自身のX(旧ツイッター)アカウントを一時閉鎖せざるを得なくなった。動物アレルギーの人だっているのだから、という主旨の批判が多かったようだが、かなり攻撃的なものもあったらしい。一度は「そんなに怒らないでください」と発信したほどだ。





私は親の遺言で美人を責めることだけはしないが、彼女が根本的なところで考え違いをしていることは否めないと思う。





たしかに海外の航空会社には、ペットの機内持ち込みを認めている例が見受けられる。アメリカン航空、大韓航空、トルコ航空などで、国内でもLCCのスターフラーヤーがTRAVEL WITH PETというキャンペーンを展開中だ。





ただしいずれの場合も、非常脱出時には他の手荷物と同様、持ち出すことは認められないし、飛行中に体調を崩すなどした場合も航空会社に責任はない、という内容の同意書に署名しなければならない。手荷物を持ったままの脱出は、自身と他の乗客を同時に危険にさらすリスクがあるわけで、これを「どうしても解せない」などと言い張る人がいることの方こそ、私には解せない。





そもそも論から言えば、ペットはモノである。法律的にそうなのだ。





たとえば犬が人を噛んだ場合を考えてみよう。大型犬が乳幼児に噛みつけば、命に関わる事態すら考えられるが、そのような場合でも法的責任を問われるのは飼い主で、犬も噛傷(こうしょう)犬と呼ばれて、専門の施設に収容されはするが、訴追されることはない。





逆に人間が犬に噛みついた場合はと言うと、暴行罪や傷害罪には問われず、器物損壊罪もしくは動物愛護法の罰則条項に抵触するだけである。





民法上の扱いも然り。ペットに財産を相続させたいと考えても、それは出来ない相談で、なぜならば遺産相続は、自然人(権利義務の主体となる個人。法人の対義語でもある)の間でしか認められないし、ペットは家族というのは飼い主の思い込みに過ぎず、法的には動産、すなわちモノとして扱われるからだ。





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