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とりあえず非寛容から抜け出したい 続【2024年を占う!】その6

Japan In-depth / 2024年1月21日 23時0分

またしても「そうではあるのだけれど」という話になるが、私は、こうした事実があるからと言って、機内へのペット持ち込みを解禁して欲しい、と訴える人たちを排斥しようなどと考えるものではない。「ダメなものはダメ」で片付けてしまっては、緊急時の脱出方法など、技術面の進歩も期待できない。





そうかと思えば、能登などの被災地で、火事場泥棒を働く者たちがいる。住民が避難した家屋で、空き巣被害が続発しているのだ。





16日付『北國新聞』が報じたところによると、被災地の穴水町で迷彩服を着たニセ自衛官が目撃され、町役場がインターネットで注意喚起を呼びかけたという。





TVでも報じられ、陸上自衛隊のトップである幕僚長が、





「自衛隊は組織で行動するので、単身で家屋をのぞいて回るようなことはない」





などと、わざわざコメントしていた。





こうした事態を受けて、複数のインフルエンサーが、





「火事場泥棒は〇してもよい」





などと投稿し、やはり賛否両論があった。





〇してもよい、というのはYouTubeなどに特有の表記法で、殺すとかレイプするとか、不穏当な表記を用いると収益の面で不利益をこうむることから、このようになっているのだと聞く。ナレーションでも、そこは飛ばしでして読んだりピーという音が入ったりする。





「レ〇プ〇人事件」などと表記させることが、一体誰の利益になるのか、私などはどうしても解せないのだが、その話はさておき。





これこそ、ダメなものはダメなのだ。





火事場泥棒はたしかに許しがたいが、彼らを捕らえて処罰するのは警察と司法の仕事である。前に私人逮捕系YouTuberについて述べた際に説明させていただいたが、窃盗の現行犯などは私人逮捕が認められる。ただしその場合でも、限度を超えた暴力は許されない。





このように述べると、ならば、どの程度までならやってよいのか、などと言い出す人がいそうだが、これは愚問。私人逮捕として認められるか、正当防衛の範疇に入るか否かなど、実際にそうした事件が起きてから、個別具体的な司法判断を仰ぐしかないのだ。





さらに言えば、県外ナンバーの車の写真を、これが火事場泥棒の車だ、などと根拠もなく晒す行為もまた、犯罪的なのではあるまいか。濡れ衣だったら、誰がどう責任を取るのか。





同一人物が矛盾した投稿をしているわけではないにせよ(そうした例もままあるが笑)、ペットは人間と同等に扱うべきだが、火事場泥棒は〇してもよい、というのでは、それこそ「生類憐れみの令」の世界であろう。





2024年の日本を、ペットが守られて人命がないがしろにされるような社会にしたくないのであれば、我々はいま少し冷静になる必要がある。





(その1、その2、その3、その4、その5)





トップ写真:ペット専用航空会社「ペットエアウェイズ」(2013年に運航停止)の客室にペットを積み込む様子(2009年7月16日 アメリカ・カリフォルニア州ホーソーン)出典:Photo by David McNew/Getty Images




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