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バイデン政権の対外政策の欠陥とは その1 大統領の軍事忌避

Japan In-depth / 2024年1月24日 18時0分

バイデン政権の対外政策の欠陥とは その1 大統領の軍事忌避




古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・バイデン政権の対外政策は「力の軽視」。軍事忌避と呼んでもよい傾向がある。





・ロシアや中国などの反米勢力はそこに生まれた力の空白に進出してきている。





・言い換えると、いまのアメリカのあり方が世界の混乱や危機と呼べるような状況を引き起こしている。





 





いまの国際情勢の激動や混乱を主としてアメリカの政策という観点から論じてみた。「明日への選択」という月刊雑誌のインタビューに応じての論評だった。その論評ではアメリカのバイデン大統領とその政権の対外政策の光と影をかなりくわしく語ることを試みた。





新しい年、2024年の冒頭、世界情勢はさらに緊迫を増し、アメリカの大統領選挙も予備選の幕を開けた。その結果の衝撃波は日本をも大きく揺さぶることは自明である。だから国際情勢の現状とアメリカの対応については、よく知り、よく考えることが日本側の私たちにとっても、とくに喫緊となる。そんな趣旨からこの私の現時点でのアメリカ外交考察をこの場で紹介することとした。





このインタビューで私に質問をしたのは「明日への選択」の発行人の岡田邦宏氏である。





岡田氏の冒頭の解説―― ロシアがウクライナに侵略して間もなく2年が経過し、アジアでは中国が台湾への軍事的圧力をかけ続けています。そうしたなか昨年10月には中東でハマスがイスラエルを奇襲攻撃し、それに対してイスラエルがハマス殲滅を掲げてガザ地区を猛烈に攻撃しています。





こうしてみると、世界はなにか「無秩序化」しているようにさえ思えます。この状況をどうとらえればよいのか。その中で日本はなにをなすべきなのか。長年ワシントンに視点をすえて国際情勢を分析してこられた古森義久氏にうかがいます。





■ バイデンが招いたアメリカの「後退」





(質問)―― 世界はいまロシアや中国といった勢力が攻勢的となり、アメリカやEU(欧州連合)などが押し込まれているようにみえます。世界秩序が変わろうとしているようにも思えます、現状の世界情勢についてどうご覧になっていますか。





古森義久 現代の国際情勢をどうみるかというとき、アメリカ側の問題と反米勢力の動きに分けて考えればよいと思うのです。いま、アメリカの力や影響力が後退しているのは間違いない。その一番大きな要因はバイデン政権の対外政策のあり方だと思います。





トランプ時代と比較すれば分かりやすいでしょう。中国の戦闘機が台湾との中間線を越えて繰り返し入ってくるようなことはありませんでした。ヨーロッパでも中東でも戦闘は起こらなかった。





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