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麻薬犯罪組織との戦いが激化 ‟内戦状態”のエクアドル

Japan In-depth / 2024年1月26日 9時20分

エクアドルで跋扈する麻薬組織のメンバーは2万人にも上るとされ、軍や警察のほか政財界にも入り込み、影響力を広げているとの情報もある。昨年の大統領選のさ中、麻薬犯罪対策の強化を公約を掲げていた有力候補を暗殺したのも、メキシコの麻薬カルテルの傘下にある地元の犯罪組織との説が有力。最近ではエクアドルの麻薬密輸ビジネスに欧州で悪名高いアルバニアの犯罪組織も加わり、各組織の縄張争いも激しくなっており、一般市民が巻き込まれ犠牲になるケースも増えていると伝えられる。





■早期の治安回復には疑問





 ノボア大統領は22の麻薬犯罪組織を「テロ組織」に認定、「麻薬テロリストとの交渉は行わない」と全面対決の方針を強調している。現地メディアの報道によれば、警察のほか、軍を動員して1月半ばまでに2000人近い犯罪組織のメンバーを拘束した。しかし、大統領の犯罪組織撲滅作戦が成果を上げ、治安回復に成功するか疑問視する見方がエクアドル国内でも多いようだ。





大きな理由の一つはノボア大統領の任期が短いこと。昨年、ラッソ前大統領は自身の不正容疑に対する国会の弾劾を回避するため国会を解散、大統領選の前倒し実施に追い込まれた。10月の大統領選決選投票でノボア氏が当選、同11月に大統領選に就任したが、その任期はラッソ前大統領が当初務めるはずだった2025年5月24日までとされている。この短い期間に犯罪組織の活動を抑え込み、治安を回復するのは至難の業難だろう。





加えて、就任後まだ2カ月ほどしか経っていないノボア大統領が安定した政権運営を確立できるかも疑問。大統領の政党は定数137の国会でわずか14議席しかない。大統領は他の政党との連携で多数派を確保する考えだが、連携がうまくいく保証はない。政権が安定しなければ犯罪組織との戦いで勝利できるはずはなく、ノボア新政権は早くも正念場に立たされている。





(了)





トップ写真:エクアドルのキトで通りをパトロールする軍人。政府当局はギャングによる暴力、武器の違法使用、麻薬関連の犯罪を取り締まっている(2024年1月21日エクアドル・キト)出典:Agencia Press South/Getty Images




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