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結局は公明党次第なのか(上)続【2024年を占う!】その7

Japan In-depth / 2024年1月30日 18時0分

結局は公明党次第なのか(上)続【2024年を占う!】その7




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・1月18日、岸田首相、岸田派解散を発表。





・「政治改革に関する中間取りまとめ案」、派閥全廃の記載なく、政策集団としての存続容認を示唆。





・岸田首相、自民党内部をひっかきまわしただけ。今後の政界再編はどうなるのか。





 





「政界は一寸先が闇」





これは1960年代後半(64年7月から70年11月まで)自民党副総裁を務めた、川島正次郎の言葉である。その前は1957年から60年まで岸信介総裁の下で自民党幹事長を務め、その後池田勇人、佐藤栄作と二代の総裁の下で副幹事長を務めた。





残念ながらこれ以上詳述する紙数はないが、1960年には顕著であった、党人派(地方議員などからたたき上げてきた面々)と、世に言う吉田(茂)学校の流れを汲む官僚派との派閥争いに際して、生粋の党人派でありながら、土壇場で官僚派の池田支持に寝返るなど、党内抗争で暗躍し、勝ち抜いてのし上がった政治家である。つまり冒頭の言葉は、理念ではなく偽らざる実感だったのだろう。





さて、本題。





岸田首相は18日、突如として





「岸田派(=宏池会。以下も同様に表記する)を解散するつもりだ」





とメディアに発表。政界に激震が走った。





翌19日午後、東京地検特捜部は、昨年末から捜査を進めていた、派閥主催のパーティーをめぐる事件で、安倍派(=清和会または清和政策研究会)の会計責任者が過去5年間で6億7503万円、二階派(=志帥会)の会計責任者は2億6460万円のパーティー券収入などを派閥の政治資金収支報告書に記載していなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)で在宅起訴したと発表した。





岸田派の会計責任者も、2020年までの3年間に計3059万円の未記載があったとして、略式起訴となった。在宅起訴も略式起訴も逮捕され身柄を拘束されることはないが、前者は刑事罰を求められ、後者は一般に罰金刑を求められる。





この件では、安倍派の幹部であるところの大物政治家たちも立件されるのでは、との観測が広まっていたが、蓋を開けてみれば、任意で事情聴取はしたものの、会計責任者との共謀が立証されなかったとして、全員不起訴となった。ただ、検察審査会に対して不起訴不当の申し立てをする動きがあり、今後のことは未だ不透明だ。





いずれにせよ岸田首相の、突然の発表は検察の機先を制したと言えるもので、発表を聞いた記者たちも度肝を抜かれたことであろう。





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