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【ファクトチェック】 「岸田首相と馳知事は地震翌日に自衛隊派遣することを決定」→誤り

Japan In-depth / 2024年2月4日 19時0分

▲写真 会見する岸田文雄首相、総理官邸にて(2024年1月1日) 出典:首相官邸





また1月1日18時58分の防衛大臣臨時記者会見で木原稔防衛大臣は、「本日、発出された内閣総理大臣指示事項、これは16時15分でしたけども、それを踏まえまして、甚大な被害が発生していることを念頭に、陸海空自衛隊が緊密に連携し、人命救助を第一義とした活動を実施すること。早急に本地震による被害状況を把握できるよう、関係府省庁及び自治体と緊密に連携し、情報収集に努めるとともに、あらゆる手段を活用した情報収集活動を実施すること。これらを指示したところであります」と述べているが、内閣総理大臣が災害派遣要請をおこなったとの発言は無かった。









▲写真 木原稔防衛大臣 出典:防衛省





加えて、翌日1月2日に岸田首相が防衛省に対し、自衛隊の災害派遣要請をしたという事実は、首相官邸ホームページからも、防衛省・自衛隊ホームページからも確認できない。





■ 災害派遣要請の定義





ここで、「災害支援要請」の定義をみてみる。





防衛省によると、「災害派遣は、都道府県知事などが、災害に際し、防衛大臣又は防衛大臣の指定する者へ部隊等の派遣を要請し、要請を受けた防衛大臣などが、やむを得ない事態と認める場合に部隊等を派遣することを原則としている」。これは、「都道府県知事などが、区域内の災害の状況を全般的に把握し、都道府県などの災害救助能力などを考慮したうえで、自衛隊の派遣の要否などを判断するのが最適との考えによるものである」としている。





また、「海上保安庁長官、管区海上保安本部長及び空港事務所長も災害派遣を要請できる。災害派遣、地震防災派遣、原子力災害派遣について、①派遣を命ぜられた自衛官は、自衛隊法第94条(災害派遣時等の権限)に基づき、避難等の措置(警職法第4条)などができる。②災害派遣では予備自衛官及び即応予備自衛官に、地震防災派遣又は原子力災害派遣では即応予備自衛官に招集命令を発することができる。③必要に応じ特別の部隊を臨時に編成することができる」ともある。





つまり、災害派遣は、都道府県知事からの要請により行うことを原則としている。自衛隊の派遣にそもそも首相の要請は必要が無い。









▲図 災害派遣 要請から派遣、撤退までの流れ 出典:防衛省・自衛隊





■ 判定





以上のことから、馳知事による自衛隊災害派遣要請は地震発生同日に行われたことは明らかである。また自衛隊の災害派遣要請は基本的に被災地の都道府県知事が行うことが原則となっていることから、総理大臣の自衛隊派遣要請は必要が無かった。





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