米下院、経歴詐称疑惑の議員除名 NYで補選
Japan In-depth / 2024年2月7日 18時0分
▲写真 記者会見を行うマジ・メレサ・ピリップ氏(2023年12月15日) 出典:Photo by Adam Gray/Getty Images
だが、ピリップ氏は郡議会議員として2021年に初当選、まだ政治家としての経験は3年未満にすぎない。しかし、除名されたサントス氏が「ユダヤ人であることを詐称」して当選したことを考えると「イスラエル出身のユダヤ人」であることは重要なこととも思われる。
実績と言われるものが殆どないピリップ氏が、この選挙でスオッツィ氏にどれほど肉薄できるかが見ものではないだろうか。
もともと民主党基盤であった第3選挙区は、僅差ながら前の選挙で共和党にその座を明け渡してしまった。背景にはコロナ禍以降、民主党が政権を握った結果、急増した犯罪増加への対策アピールが大きかったと言われる。
加えて、民主党が主導する移民問題なども大きな問題となっており、民主党基盤、と言われた地元一帯は、徐々にその信頼を失い、共和党の支持が強まってきている感がある。
しかし、今回の選挙に限って言えば、功を焦って「良いとこ取り」で、サントス氏の100近くはあると思われるウソ、詐称を良く調べもせず、2年前の選挙で「有権者を騙して」投票させてしまった共和党へのダメージがないわけはない。
それでも、実績も、大きく振りかざすほどの公約も政治アピールも弱いピリップ氏が候補者に指名されたのは、共和党は強力な候補者がいないという、立場を変えた「トランプ対バイデン」バージョンにも見えてしまう。
議席バランスが微妙な下院において、勢いをつけたい民主党に対して、1議席も失いたくない共和党。
大統領選挙への影響もあり得るこの選挙は、アメリカ全土から注目が集まる選挙になることは間違いないだろう。
身内だからと言って、サントス氏を徹底的に庇い立てしなかった共和党は、どこかの国の政党と違い、その点はまだ国民から評価される余地が残っているかどうか。アメリカの選挙権がない自分ではあるが、地元での選挙でもあり、結果を大いに注目している。
トップ写真:下院除名が決定した決議後に取材に応じるジョージ・サントス元下院議員(2023年12月1日)出典:Photo by Drew Angerer/Getty Images
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