「6月解散説浮上」永田町、政局まっただ中
Japan In-depth / 2024年2月12日 13時53分
その萩生田氏が頼みとするのが、小池知事だ。八王子市長選では1月21日の投開票の2日前、自公が推薦し、東京維新の会が支援した初宿和夫氏の応援のため、小池知事は八王子駅前で演説した。その1週間前の調査では7000票差で野党系候補に劣勢とされた初宿氏は、結果的にその候補に6645票の差を付けて当選した。小池知事の応援がなければ、いったいどうなっていたのか―。命拾いをしたと思ったのは、萩生田氏だけではないはずだ。
小池知事と組んで7月7日に知事選と衆議院選との同日選を行えば、自民党は都内で議席を増やすという試算もあるようだ。確かに5増5減で東京都内は、25選挙区から30選挙区に増加する。だが昨年9月の自民党の調査では、「41議席減」との結果もある。当時よりも現在の方が内閣支持率は低く、自民党が置かれている立場は厳しい。
またトリガー条項凍結解除の協議から国民民主党が外れたことは、岸田首相にとって小さくない誤算だったに違いない。衆議院で7人、参議院で10人の議員を擁する同党は、トリガー条項凍結解除に岸田首相が関心を示しただけで、本予算も補正予算もまるごと賛成してくれる有難い存在だった。かつて公明党が「どこまでもついていきます下駄の雪」と揶揄されたが、国民民主党はまさにその「下駄の雪」だった。
だがいっこうにトリガー条項凍結解除実現に腰を上げない岸田首相に業を煮やし、国民民主党は離れていった。もっとも財務省に頭が上がらない岸田首相は、端から税制をいじるつもりはなかったようだ。
おそらく景気さえ良くなれば、燃料費高騰など問題ないと軽く見ていたに違いない。確かに株価は上昇しており、大企業も賃上げが進んでいる。
しかし物価上昇に賃上げが追い付いていない。また海外では中国経済は成長を鈍化させ、コロナ禍で加熱したアメリカの不動産市場はピークアウトし始めている。4-6月の経済予想も、期待ほど良くないとの推測もある。
すでに麻生太郎副総裁は「次」を見据えて、上川陽子外相に注目している。ともすれば「オバサン」「美しい方とは思わない」発言ばかりが注目されているが、上川氏の仕事ぶりに対する麻生氏の評価は、これまでにないほど高いものだ。
それでもなお延命を求めて、岸田首相は衆議院を解散する時期を探るだろう。それより先に自民党内に「岸田降ろし」が勃発するか。永田町はいま、30年に1度の政局の真っただ中にある。
トップ写真:イタリア共和国のジョルジャ・メローニ首相を迎える岸田首相 (2024年2月5日 東京都千代田区首相官邸) 出典:首相官邸
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