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「危険な犬に関する法律」の思い出 失敗から学ぶことは多い その4

Japan In-depth / 2024年2月14日 17時0分

1991年に英国でペットに関する法律の一部が改正され、ピットブルと土佐犬の飼育が禁止された時のことを思い出した。





その名も「危険な犬に関する法律」が施行されたことに伴うもので、その法律を審議する議会の録画中継も見たが、ジョン・メージャー首相(当時)が、





「英国の家庭に、こうした犬の居場所はない」





と強い調子で演説し、野党労働党のニール・キノック党首(同)も、





「(法案を)全面的に支持したい」





などと応じていた。挙国一致で危険な犬の飼育を禁じたのである。





禁止令に伴って、自主的に手放さない飼い主に対しては、強制執行も行われた。





これもTVニュースで、飼い主であろう高齢女性が泣き叫んで抗議するのを尻目に、警官だか保険局の職員だかが、ピットブルを「連行」する様子を見たこともある。高齢者と犬にはとにかく優しい国だと思っていたが……などと、妙な感想を抱いたものだ。





2023年末にはまた、アメリカンブリーXLという犬種が新たに飼育禁止とされた。





これ以外にも、かの国ではペットに関する様々な法律がある。





たとえば、日本のようなペットショップが存在しないことをご存じだろうか。





商店で生体を販売することが法律で規制されているからで、子犬を売買するに際しては、ブリーダーと購入希望者が対面方式で商談を行い、ブリーダーの側は、子犬と母犬を同時に見せる義務を負う反面、飼育環境について細かく質問する権限を付与されている。また、生後8週間未満の子犬や子猫の売買は認められない。さらには業者以外の「第三者」が販売することも禁じられているので、友人知人から譲り受けるというのも、厳密には違法となる。





また、2024年6月10日までに、全ての猫にマイクロチップを装着することが義務づけられ、未装着の猫はすべて野良猫と見なされることとなった。





1991年の「危険な犬に関する法律」に話を戻すと、当時ロンドンで働いていた私は、英国人ジャーナリストから、土佐犬の問題について質問を受けたことも覚えている。





どうせ公式なインタビューでもなんでもないからと、





「サッカー場で暴れるイングリッシュ(いわゆるフーリガン)より、ジャパニーズ・トサの方がむしろインテリジェントじゃないかと思うけどね」





と言ってやったところ、その場はかなりウケたが、もちろん印刷も放送もされなかった笑。





要は飼育環境の問題で、犬に無用なストレスを与えるような飼い方をしない限り、土佐犬と言えど見境なく暴れるわけではあるまい、というのが、私の真意と言うか、与太話の中にも少しは本音の部分があったわけなのだが。





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