「危険な犬に関する法律」の思い出 失敗から学ぶことは多い その4
Japan In-depth / 2024年2月14日 17時0分
基本的にこの考えを変えるつもりはないのだが、今次の問題があって、少し気になって調べたところ、日本でも土佐犬による傷害事案は結構あって、飼い主が重過失傷害に問われ逮捕されたケースまであることが分かった。
とは言え今のところ、ペットの飼育それ自体を規制すべきだとの声は聞かれない。
ただでさえ評判の悪い現政権が、猛犬規制法案のごときものを上程したら、どんな騒ぎになることやら、と心配になる。
私が心配しても始まらないのだが、野生の熊を駆除したら役所に抗議の電話が殺到した、というのも未だ記憶に新しいところであるから、大型犬の飼育を禁ずるなどと言い出したら、どう考えてもただでは済まされそうにない。
それでまたまた思い出したのだが、私が生活の拠点を東京に戻した1993年頃、シベリアン・ハスキーという犬種が大流行していた。
『動物のお医者さん』(佐々木倫子・著 白泉社)という漫画の影響らしいのだが、実家の近所で、ゆうに体長1メートルを超すハスキー犬が、身体の幅一杯くらいの裏庭(というよりガレージ脇の路地)で飼われていたのを見て、なんとも犬が哀れに思えたこともある。これでは身体の向きを変えることもままならない。いくら温厚な犬種でも、生半可なストレスではあるまい。
くだんの漫画の舞台は札幌で、北大獣医学部に通う学生の家で飼われ、チョビと名づけられたハスキー犬(ちなみに雌)は犬ぞりの大会に出場したり、縦横無尽の活躍ぶり。やはり犬種によって、ふさわしい環境というものは、厳然とあるのではないか。
私はいわゆる「イギリスびいき」とは、一線を画する立場を一貫してとってきた者だが、ペットと人間、どちらも大切にしているという点では、やはりかの国の方が先進的であると考えざるを得ないのだ。
トップ写真:四国犬 出典:Terje Håheim/Getty Images
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