トヨタに「文春砲」一体、なにが?
Japan In-depth / 2024年2月24日 10時20分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・週刊文春が、【巨弾レポート】としてトヨタ自動車の豊田章男会長を取り上げた。
・トヨタ関連メーカー3社の不正に焦点を当てている。
・メディアと対峙するトヨタ、経営にどのような影響が出るか。
広告を見て一瞬目を疑った。あの文春がトヨタに噛みついたのだ。最新号(2月21日号)の記事だ。
【巨弾レポート】と銘打つほど力が入っている。見出しの一部には、「豊田章男・トヨタ会長はなぜ不正を招いたのか」、とある。
不正とは言わずもがなだが、以下の3社のトヨタ関連会社の不正のことだ。
・2022年3月、トラック大手の日野自動車がエンジンの排ガスや燃費の性能を偽っていた問題が発覚。
・2023年4月、ダイハツ工業は海外向けの車両で認証試験に不正があったことを発表。 その後の調査でほかの不正も発覚し、国内での生産停止という事態に追い込まれた。
・2023年3月、豊田自動織機は、フォークリフト用エンジンで不正が発覚した。外部有識者による特別調査委員会は今年1月29日、新たな不正内容を公表した。
かつて自動車会社の不正が続いた時期があった。覚えている人も多かろう。
2016年には三菱自動車の燃費改ざん、2017年にはSUBARUと日産自動車の完成車検査、2018年にはスズキ自動車の燃費データで不正があった。
こう見てくると当時ほとんどの自動車会社が多かれ少なかれ、何らかの不正に手を染めていた。トヨタグループを除いて・・・
しかし、今回トヨタ関連会社3社の不正が立て続けに発覚したことで、トヨタ本体のトップである豊田章男会長の責任を問う声が出るかと思ったら、全くマスコミから聞こえてこない。不自然だと感じていた。
ビッグモーターにかぎらず、企業の不祥事が起きたらトップの責任を真っ先に問うはずの新聞・テレビはだんまりを決め込んでいる。これこそ最大のスポンサーであるトヨタに対するそんたくでなくしてなんであろう?
そうした中での、文春のこの特集だ。新聞・テレビはまたもや週刊誌に先を越された格好だ。
そのトヨタだが、マスコミと距離があることはよく知られている。日本最大のオウンドメディアといわれる「トヨタイムズ」を2019年に立ち上げたのだ。俳優の香川照之氏が編集長という肩書きで出演していたことが話題を呼んだ。(2022年8月に発覚した香川の不祥事の為終了)
トヨタほどの会社が自ら情報発信に動いたのだから、メディア界に与えた衝撃は大きかった。と同時にこれだけのことをやるのだから、よほどマスコミに不信感があるのだろうな、とも当時思ったものだ。
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