仏、イスラム指導者を国外追放
Japan In-depth / 2024年2月28日 7時0分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・フランス当局は、チュニジア人のイスラム宗教指導者マジョブ・マジョビ容疑者を国外退去させた。
・新移民法案の「共和国原則に対する意図的かつ特に重大な違反」という項目が機能した。
・反日活動が野放しにされている日本がフランスから学ぶことは多い。
フランス当局は2月22日、反フランスを扇動したチュニジア人のイマーム(イスラム教指導者)を国外退去させた。フランス南部で活動していたイマーム、マジョブ・マジョビ容疑者は、反フランスと増悪に満ちた言動をイスラム教徒への説教で繰り返し、その動画がSNSで流れフランス中で問題となっていた。
ジェラルド・ダルマナン内相は、フランスの価値観に反する言動をしたとし、「容認できない発言をした過激なイマーム」に対して規則を厳格に適応させることを要求した。問題となったマジョビ容疑者はすぐに逮捕され、逮捕後12時間も経たないうちにチュニジアに送還された。かなりのスピーディな対処であったが、ダルマナン内相はこのようなスピーディな対処ができたのも新移民法案のおかげだと述べた。
■過激発言の内容と事態の流れ
追放命令によれば、問題発言は、2月2日、9日、16日に行われた数回のイスラム教徒の集会の説教で行われた。
内容は、少し聞いただけでもかなり衝撃的なものだ。例えば、「三色旗」はいらない。「アッラーにとって何の価値も持たない悪魔の旗」と声を張り上げたり、「腐った」フランス社会とフランスを冒涜、また女性への差別発言、ユダヤ人を「敵」とし、「欧米社会の破壊」を呼びかけるといったものだ。
マジョビ容疑者の発言は「共和国の価値観に反する行動であり、女性差別増長、共存社会からの孤立をはかり、ユダヤ人コミュニティとの緊張を高め、ジハード主義の過激化を助長する可能性が高い」と内務省は指摘している。このため、ダルマナン内相からの迅速な滞在資格はく奪が要請を受け、国外退去命令に該当するかの捜査が即時に開始された。その結果、2月22日木曜日に逮捕され、逮捕後12時間経たずにチュニジアへ国外退去命令が出されたのだ。
追放命令は、外国人の入国・滞在法典第L631-3条と亡命の権利に規定されている3つの基準のうち2つに該当した。一つ目は、「国家の基本的利益を損なう可能性のある行為」が行われた場合であれば、フランスに20年以上住んでいる外国人、またはフランス人女性またはフランス人の未成年の子供の父親と結婚している外国人であっても、法的に国外追放できる。二つ目は、「共和国の原則に対する意図的かつ特に重大な違反」、または「特定の個人または人々のグループに対する差別、憎悪、または暴力への明示的かつ意図的な挑発に当たる行為」した場合だ。三つ目には「テロ活動」があった場合の追放も可能としているが、今回のケースにはあてはまらない。
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