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【ファクトチェック】「海外の観光地は、母国語と英語の表記のみ」→誤り

Japan In-depth / 2024年3月15日 18時5分

公共交通機関はどうかというと、ソウル特別市内の駅構内の看板も、日・英・中、3か国語で表記されている。









▲写真 ソウル駅ホームの看板。韓国語以外に、日本語・中国語・英語で表記されている。ヨクは「駅」の意。これは日本語に訳されていなかった(2023年8月14日)ⓒJapan In-depth編集部





外国人観光客の多い東大門エリアの飲食店の看板も複数言語で表記がなされている。









▲写真 東大門の飲食店の看板。こちらは日本語・中国語・英語に加えてタイ語などの表記もされていた(筆者撮影)





他の国はどうだろうか。





・フランス





「案内所の対応言語については、必置言語を決めているわけではない」としたうえで、主にドイツ、イタリア、スペインから複数言語に対応できるスタッフを採用することで、英語以外の言語でも対応出来るような整備ができている。





パンフレットについて、パリなどの都市部では「英・独・伊・西・日・韓・中・露等の10か国に対応」したものが置かれている。一方で、地方部では英語のみの場合も多い。出典)国土交通省「海外事例調査の概要について」





パリ市内の地下鉄(メトロ)の表示板は英語、スペイン語、ドイツ語などでも表記されている。筆者も聞いたことがあるが、1番線では、「スリにご注意ください」というアナウンスに日本語も入っている。(しかも、複数言語の内、最初の方に流れてくる)バス停などでも複数言語に対応している。









▲写真 フランスの地下鉄の案内板 フランス語のほか、英語、西語、独語などで表記されている。 出典:Owen Franken/GettyImages





・イギリス





イギリスもフランスと同様に「案内所の対応言語については、必置言語を決めているわけではない」が、フランス、ドイツ、イタリア、スペインから複数言語に対応できるスタッフを採用し、複数言語に対応できる体制を整えている。パンフレットについても、ロンドンなどの都市部では複数言語で表記されている場合もあるが、 Winchester等の地方部では英語のみの表記である場合が多い。(出典:海外事例調査の概要について 韓 国 フランス イギリス)





・アメリカ





アメリカでは、ロサンゼルスにおけるリトルトーキョーをはじめとする日本人街を除き、公共交通機関などにおける標識や看板の日本語表記は見受けられない。ニューヨークの地下鉄のメトロカード券売機で、主要駅にあるものが中国語や日本語に対応しているものがあるが街中ではほとんど英語表記のみだ。基本的に米国を訪れる人は英語を理解するだろう、というこの国の考え方に基づいているかのようにみえる。例外的に、フロリダなど南米の移民が多い州の空港では、スペイン語表記がメインになっていることもある。





■ 判定





以上、多くの国で、公共交通機関や案内所など、多言語対応している場所は存在する。よって、「海外の観光地は、母国語と英語の表記のみ。」というポストは、「誤り」と判定する。





【Japan In-depthファクトチェックポリシー】





Japan In-depthは、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、ファクトチェックを実施しています。FIJが定めたガイドラインに準拠して、言説の真実性・正確性の評価・判定を行います。政治家、有識者の発言、メディアの報道、ネット上で拡散されている情報など、社会的に影響の大きな言説を対象とします。判定基準は以下の通りです。









トップ写真:地下鉄 江南駅(カンナム)の表示板。韓国語、英語、中国語、日本語(カタカナ)で表記されている(韓国・ソウル)ⓒQju Creative・Getty/mages




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