ロシア軍、量で押し切るか(上)3年目に入ったロシア・ウクライナ紛争 その1
Japan In-depth / 2024年3月18日 19時18分
ところが、北朝鮮から供与された砲弾は信管がまともに作動せず、大半が不発になるという欠陥品で、一方ロシアから送られた小麦は賞味期限切れであった。
今年に入ってからは、イランと北朝鮮から、巡航ミサイルが供与されたが、これもやはり軍事技術の供与とバーターであったとされる。そして、北朝鮮製のミサイル(不発であったのか、炸裂した部品を回収したのか、詳細までは不明だが)を調べたところ、西側諸国の部品が多数用いられており、日本製も18%含まれていたという。
加えて、ロシア国内でも軍需品の増産は急ピッチで進められ、その成果もめざましい。
米CNNが3月11日に配信したところによると、NATO筋の分析として、ロシアの砲弾生産能力は年間300万発に達する可能性があり、これはNATO(北大西洋条約機構)側の3倍近くにもなる。もう少し具体的に述べると、NATOがウクライナ向けに製造を予定しているのは約120万発。もちろん、300万発の砲弾が今すぐロシア軍の前線部隊に行き渡るわけではないが、今年の夏以降、ロシアが再度の大攻勢に打って出た場合、今度はウクライナ軍の砲弾不足が致命的になる、と考えられるのだ。
侵攻開始から2年ほどの間に、戦局は二転三転したと述べたが、まずロシア軍が電撃戦に失敗したのは、ウクライナ国民の戦意の高さ、NATOが結束して素早く手を差し伸べる事態について、過小評価していたと考えられる。
一方NATOも、プーチンが核のボタンに手をかけないギリギリのところで、真綿で首を絞めるように追い詰めてゆく、という戦略を採ってきたと思われるが、これも、両者のウォー・ポテンシャルの差を過小評価していたのかも知れない。
ウォー・ポテンシャル(潜在的戦争遂行能力)とは、具体的には人口、資源、工業生産力、銀地技術といったあたりだが、紛争が長期化すると、この差はますます決定的となる。
次回、具体的にどういうことなのか、もう少し掘り下げてみよう。
(その2につづく)
トップ写真:大統領選で勝利し、スピーチを話すプーチン露大統領(2024年3月18日 ロシア・モスクワ)出典:Contributor/Getty Images
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
[社説]ウクライナ侵攻千日 戦争終結への道筋示せ
沖縄タイムス+プラス / 2024年11月23日 4時0分
-
ロシア、東部制圧へ攻勢=ウクライナ防戦一方―19日で侵攻1000日
時事通信 / 2024年11月18日 23時11分
-
北朝鮮軍に"頼る"ロシアの姿勢が激変した事情 ついに交戦開始、北朝鮮側が得るものは?
東洋経済オンライン / 2024年11月6日 10時0分
-
北朝鮮からの「援軍」で、ウクライナの戦況はひっくり返るのか...金正恩の思惑と、戦争への影響とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月31日 17時1分
-
北朝鮮派兵、NATOが確認 参戦なら米は兵器使用に新制限課さず
ロイター / 2024年10月29日 8時55分
ランキング
-
1【裁判詳報】不可解な関係 20年にわたり売春の収入を”渡し続けた女”と”受け取り続けた女” 強盗致死事件 共謀はあったのか”渡し続けた女”が証言
RKB毎日放送 / 2024年11月23日 15時4分
-
2【ふたご座流星群 まもなく始まる】 観察のポイント&撮影のコツ【スマホで流星を撮るには】
MBC南日本放送 / 2024年11月23日 15時10分
-
38歳女の子含む6人が重軽傷…朝の高速道路で乗用車3台と軽乗用車2台が絡む事故 伊勢湾岸道下り・湾岸弥富IC付近
東海テレビ / 2024年11月23日 13時59分
-
4【物価高】年末年始のおせちにも影響か サケ不漁でことしはイクラが高い!? 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月23日 17時55分
-
5遺族「2回死んでほしい」妻と1歳の長女の首をロープで殺害した事件で元看護師の男に『無期懲役』の判決
BSN新潟放送 / 2024年11月23日 7時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください