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深刻な東北地方と首都圏の医師不足 西日本から東日本への医師の移動が必要

Japan In-depth / 2024年3月25日 17時3分

福島県の医師増は、東日本の都道府県が強力に推進している医学部地域枠だけでは説明できない。福島県では、東日本大震災以降、東京や西日本出身の医師が大勢働き始めた。本稿では詳述しないが、福島県独自のこのような試みが功を奏しているのだろう。





ここで気になるのは、首都圏の医師が増えていないことだ。近年、その傾向は加速している。図7をご覧いただきたい。首都圏の一都三県で増加していないことが一目瞭然だ。一方、東北地方での医師の増加は顕著だ。これは、厚労省や有識者が「若い医師は地方を嫌がり、都会に住みたがる」と主張し、地域枠や専門医制度を通じて、若手医師の首都圏への流入を抑制してきたからだ。









▲図7 人口10万人当たりの医療施設従事医師数 2022年から2022年の差(医療ガバナンス研究所作成)





この結果、首都圏の医師不足は改善されていない。今後、この地域で団塊世代の高齢化が進み、医療需要は急増する。このままでは、首都圏の医療崩壊は避けられない。その場合、東北地方の医師が一斉に首都圏に移動することになる。東北地方の医療が連鎖崩壊しかねない。





かくの如く、東北地方と首都圏の医師不足は表裏一体だ。近年、福島の医師は着実に増加しているが、予断は許せない状況である。厚労省の医師確保対策は都道府県レベルで完結する。大学医局、日本医師会、医系技官の既得権に配慮しているのだろう。これではいけない。西日本から東日本への医師の移動、海外からの医師の招聘、オンライン診療の活用、看護師への権限委譲など、総合的な対応が必要である。





トップ写真:イメージ(本文とは関係ありません)出典:Yoshiyoshi Hirokawa/GettyImages




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