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知られざる「英露戦争」について 3年目に入ったロシア・ウクライナ紛争 その4

Japan In-depth / 2024年3月26日 23時0分

とりわけ英国は、もはや事実上の参戦国ではないかと思えるほど、この紛争に深くコミットしてきた。以下、いずれも「きわめて信頼すべき筋からの情報」ではあるが、軍事に関わることゆえ、機密の壁に阻まれて裏付けまでは取れていないことを、ここに明記しておく。





侵攻当初、ロシアは「昔とった杵柄」とでも言おうか、ウクライナの首都キーウを舞台に、大規模な破壊工作と、あわよくばゼレンスキー大統領を亡き者にしようという隠密作戦を、極秘裏に発動したが、先手を打ってキーウに入っていたSAS(スペシャル・エア・サービス。英国陸軍特殊空挺部隊)によって阻止されたという。





これは軍事情報筋では、もはや定説だと言って過言ではない話なのだが、実際のところ現場でなにが起きていたのかという段になると、手がかりさえもない。紛争が終結して数年後に、いささか「話を盛った」のではと疑われるような情報が公開される可能性はかなり高いが。





紛争の初期、ロシア黒海艦隊は、オデーサ沖にあるズミイヌイ島を占領した。人口100人ほどの岩だらけの小島だが、ここを抑えることにより、オデーサからの穀物輸出を妨害することも可能となった。余談ながら、過去にはルーマニアとの間で領有権争いが起きている。





黒海艦隊が押し寄せてきた際に、島の守備隊が降伏勧告に対して「くたばれ!」と返電したことで有名になったが、同年末、ウクライナ海兵隊の特殊部隊が奇襲上陸を敢行し、ロシア軍守備を隊敗走させた。





CNNなどでは「スネーク島」と報じていたが、ズミイヌイとはギリシャ語由来で蛇の意味なので、これ以上の説明は不要だろう。





この奇襲上陸作戦だが、こちらも英軍のSBS(スペシャル・ボート・サービス。英王立海兵隊特殊舟艇部隊)が作戦立案から兵士の訓練までを担ったと言われる。





そもそもこの紛争の原因を突き詰めたならば、NATOがかつての東欧社会主義圏への勢力拡大を続け、ついには「ヨーロッパの穀倉」と称される資源豊かなウクライナまでが、NATOに秋波を送る動きを見せた事に対して、ロシア政府、と言うよりはプーチン大統領の堪忍袋の緒が切れたことにあるとも言い得る。





英国の保守系メディアにおいては、





「NATOにも責任の一端があるといった論法で、プーチンの暴虐に免罪符を与えるべきではない」





という論調が支配的なようだが(TIMES電子版などによる)、私見ながらこうした議論を展開する人たちこそ、NATOは正義でロシアは悪、という世界観に凝り固まっているのではあるまいか。無論、軍事力で現状を変えようとしたプーチンの暴挙は免罪されるはずもないが、彼をそうさせた原因については、また別の議論になるのではないだろうか。





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