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女性の体は誰のもの? 中絶が違法だった頃の女性たちを描いた映画『コール・ジェーン』

Japan In-depth / 2024年3月27日 21時0分

女性の体は誰のもの? 中絶が違法だった頃の女性たちを描いた映画『コール・ジェーン』




中川真知子(ライター/インタビュアー)





【まとめ】





・妊娠中絶が違法だった頃、アンダーグラウンドで人工中絶をしていた「ジェーン」という団体があった。





・「ジェーン」は60年代後半から70年代初頭にかけて、推定12,000人の女性たちの中絶を助けた。





・だが2022年、いくつかの州では再び中絶が犯罪扱いとなり、新たな「ジェーン」が活動を開始している。





 





妊娠を継続すれば母体の命に危険が及ぶ。だが、周囲が中絶を許さない。





この状況を想像してみて欲しい。自分は中絶を望んでいるのに、法律が中絶を許していないからと命と引き換えに妊娠を継続しなければならない恐ろしさを。





1973年にアメリカ全州で中絶が合法化される前は、このような話も珍しくなかっただろう。では、当時の女性たちは黙って自分の運命を受け入れるしかなかったのだろうか。





映画『コール・ジェーンー女性たちの秘密の電話ー』は、妊娠中絶が違法だった頃に、アンダーグラウンドで人工中絶をしていた実在する「ジェーン」という団体について描いた作品だ。「ジェーン」は60年代後半から70年代初頭にかけて、推定12,000人の女性たちの中絶を助けたと言われている。





2022年に人工中絶の権利が各州の権限に委ねられることとなり、中絶禁止をめぐって激しく意見が交わされる中、同作は何を訴えるのだろうか。





予告編:Call Jane | Official Trailer | In Theaters October 28





・様々な理由で中絶を選ぶ女性たち









▲写真 ©2022 Vintage Park, Inc. All rights reserved. 





映画『コール・ジェーンー女性たちの秘密の電話ー』には、様々な理由で妊娠の継続が難しい女性たちが登場する。妊娠を継続すれば命の危険がある専業主婦、不倫の末に2度も望まぬ妊娠をしてしまったオフィスレディ、レイプされた女性、性の知識を持たず性行為をして妊娠したティーンエイジャー。





中絶も致し方ないと思う人もいれば、もう少し自分を大切にした方がいいのでは、と感じる人もいた。だが、彼女たちだけの責任ではない。相手がいなければ妊娠は成立しないし、性教育が重要視されていなかった当時は自分の体がどんな仕組みになっているのか知らない女性も多かった。





「ジェーン」を通して自らも中絶をし、のちに中絶手術を担当するようになるジョイ(エリザベス・バンクス演)は、不倫が原因で2度目の中絶にやってきた女性を見て眉を顰(しか)める。だが「いつか母親になりたい」という女性の言葉を聞いて「きっとなれる。でもそれは今じゃない」と言う。





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