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「白旗」も「偽旗」も言語道断 3年目に入ったロシア・ウクライナ紛争 その5

Japan In-depth / 2024年3月28日 23時0分

アジア・アフリカへの伝道に熱心であったのは、反・宗教改革の急先鋒という理念に基づくもので、きわめて戦闘的な組織論を奉じている。信者の方々には申し訳ない表現になるが、織田信長と(ポルトガルとの交易という実利があったとは言え)昵懇になって勢力を拡大したことからも分かるように、彼らは強い指導者が大好きなのだ。





もちろん、法王の発言それ自体は、一日も早く流血の惨事に終止符を打って欲しい、という善意からのものに違いないと思う。しかし、宗教指導者にしては。言葉の選び方がいささか杜撰に過ぎたのではないだろうか。





続いて22日には、ロシアの首都モスクワ郊外で開かれていたロック・コンサートの場が、動小銃や手榴弾で武装した集団に襲撃され、死者137人(24日現在)という大惨事が起きてしまう。





犯人グループは逃走したが、ロシア当局はその日のうちに、実行犯4名を含む11名を拘束したと発表。悪名高いイスラム国(以下IS)が犯行声明を出した。





ところがプーチン大統領は、事件後の記者会見で、ウクライナの関与を示唆したのである。





「犯行グループはウクライナへの逃走を図り、ウクライナ側は彼らを受け容れる窓口を設けていた」





というのが発言の趣旨だが、軍事にさほど詳しくはない読者でも、不可解だと思われたのではないだろうか。ロシアとウクライナ、両軍の戦闘が続いている国境を、そう簡単に突破できるはずがない。





25日までには、実行犯はISであるとの見方があらためて示されたが、ウクライナ関与説は未だ撤回されていない。





こうしたことから、このテロはプーチン大統領による「偽旗作戦」ではないか、との見方が浮上してきている。





偽旗作戦の語源は、カリブ海などで「活躍」していた海賊が、ドクロを描いた海賊気を隠し、友好国の旗や「降伏する」との信号旗を掲げて、相手を油断させてから襲う、という戦法をとったことにあるが、近代戦においては、破壊工作などを自作自演して、仮想敵国や敵対的な組織に罪を着せるというやり方を指す。軍事用語として広く認知されているとは言い難く、一般には謀略と呼ばれるが、その話はさておき。





私も個人的に、誰が一番怪しいかと言えばプーチン大統領ではないかと考えている。





理由は簡単で、彼には「前科」があるからだ。





1999年8月末から9月にかけて、ロシア国内で高層アパートやショッピングセンターが相次いで爆破され、およそ300人が犠牲になった。当時プーチン首相は、これをロシア連邦からの独立を唱えるチェチェン過激派の仕業と断定。9月23日にはチェチェンの首都グロズヌイが空爆され、10月1日には地上部隊が侵攻。独立派の拠点を掃討することに成功した。





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