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人生100年時代の目線 その3 介護保険への大企業の異業種参入

Japan In-depth / 2024年4月10日 12時9分

生・損保など大企業の異業種参入は、主に首都圏で介護保険適用の有料老人ホームや近年、急速に増えているサービス付き高齢者住宅に力を入れている。地域密着型認知症対応型グループホームもある。介護保険法によると居住系の施設だが、施設介護には入らず、在宅介護に分類される。





このほか介護保険適用外の富裕層の元気高齢者などを対象に、首都圏郊外の観光・保養地などで温浴施設、プール、スポーツ・レジャー施設などを完備したいわゆる高級シニアマンションなどを建設している。





入居者に介護が必要になると、系列に近い外部の訪問介護事業者などと外部委託契約をして、介護サービスを導入するケースが多い。規模を大きくして介護保険と、さらにその周辺のビジネスを含めて効率的に利益を計上する大企業型のビジネスモデルが勢いを伸ばしている。いずれも巨額の資本投下が必要になる。その分、入居者も首都圏居住の比較的生活に余裕のある高齢者が多い。





ほかにもイオンリテールの通所介護(デイサービス)などや、コンビニのローソンがケアマネジャーによる介護の相談業務など本業と事業モデルをセットにして事業展開をしている。





介護保険事業に初期から参入した主婦グループを中心にしたボランティア的なNPO法人や小規模事業者は、現在も資本力が弱く、ホームヘルパーも高齢化、慢性的な人手不足で経営的に苦境にあるが、何とか地域で見知った要介護者・家族の要望に応えて、顔の見える訪問介護事業活動を続けている。現役世代の介護休職やヤングケアラーが仕事や学業を続ける助けにもなっている。





しかしヘルパーの人手不足や資金難で経営が行き詰まり、休・廃業や倒産、或いは異業種の大企業によるA&B(買収・合併)などが増えている。





■ 拡大し続ける介護市場の行方





介護保険の市場規模(下図、厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/)も拡大している。









▲図 介護保険にかかる給付費・事業費と保険料の推移 出典:厚労書「介護分野の最近の動向について」





利用者は3.5倍。それに伴い給付・事業費は3.2兆円から10.8兆円なっている。





介護保険のサービスが受けられるのは、第一次被保険者65歳以上(40~64歳の第二次は特定疾患者のみ)の要介護認定を受けた者が要介護度によって、軽度の1から重度の5までのランクによって、定められた範囲内の負担限度額予算で、介護サービスが受けられる。スタート時から2.69倍、690万人に膨れ上がった。月額介護保険料は40歳以上(企業との折半)から強制徴収されて、65歳以上はスタート時の2倍、平均6000円を超えている。財政の半額を国と自治体の公費が負担している。





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