人生100年時代の目線 その4 介護保険4半世紀、新たなビジネスモデルの構築
Japan In-depth / 2024年4月15日 16時51分
近年、介護ビジネス市場の規模拡大に伴って外国のファンドや、国内の生・損保企業など大企業の異業種参入のM&A(買収・合併)が続いている。そこへこの訪問介護の報酬減額が追い打ちをかけ、「訪問介護」の倒産は最多を更新した。
東京商工リサーチの調べ(www.tsr-net.co.jp)では以下のデータが示されている。
〈2023年の「老人福祉・介護事業」の倒産は122件で過去2番目を記録した。このうち、「訪問介護事業者」の倒産は過去最多を大幅に上回る67件に達した。
また、倒産以外でも事業を停止した介護事業者の休廃業・解散が510件と過去最多を記録、介護事業者の苦境が広がっている。人手不足や競合激化、業績のジリ貧や先行きが見通せない小規模事業者を中心に、年間600社強が市場から退出している〉
【※本調査対象の「老人福祉・介護事業」は、有料老人ホーム、通所・短期入所介護事業、訪問介護事業などを含む。※調査開始年は、倒産が介護保険制度の始まった2000年、休廃業・解散は2010年。】=以上引用
■ 介護保険料大都市部は月額6500円以上にアップ
3年ごとの介護保険制度の見直しで今年4月に介護保険料が改定された。
首都圏や政令指定市、県庁所在市、東京23区など人口密集都市は高齢者が多いため、介護サービス提供者も、利用者も多い。サービスを受ける機会が増えるとも言えるが、介護保険料アップの原因ともなる。
自治体によって、介護保険用に積み立てていた調整交付金の取り崩し時期や額、要介護認定者を認定する割合の高低などは異なる。保険料も所得段階で高低差が付けられている。
大都市部では65歳以上の第一号被保険者基準月額は6500円以上となり、最も高くなったのは大阪市で月額9249円となった。周辺部では5000円台半ばが多い。
アップした原因は、介護報酬改定で介護職員の処遇改善のための介護報酬改定や、独居高齢者が多い地域で要介護者増と介護保険サービス利用額が増えたからなどと分析されている。介護保険スタート時の月額保険料が2911円だから、その急上昇ぶりが分かる。
介護保険料は、総費用の半額を公費が、27%を40歳以上第2号被保険者(月額6276円、雇用主との分担負担)、残りの23%を65歳以上第1号被保険者が負担する仕組みになっている。
額は自治体ごとに決められ、年金から天引きで強制聴取される。低年金者は納付する。差し押さえも増えている。
この記事に関連するニュース
-
人材不足なのに報酬減額 訪問介護現場で悲鳴「実態見ていない」「もう限界」
産経ニュース / 2024年7月17日 11時0分
-
3年ごとに改悪される介護環境。今年の介護制度の改正ではどう変わる?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月16日 23時0分
-
老人ホームに入りたい…月7.5万円の〈生活保護費〉を受け取る66歳「要介護2」男性の悲痛な嘆き【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月15日 11時15分
-
1人で5分の訪問看護、でも記録上は〝2人で30分〟 「患者や家族はおかしさに気付かない」ホスピス型住宅の「手厚い」ケア
47NEWS / 2024年7月2日 10時0分
-
10万円以上差がつくことも!「知っていると大違い」介護にまつわる支援やサービス
ハルメク365 / 2024年6月27日 21時0分
ランキング
-
1バイデン大統領はなぜ選挙から撤退したのか 高齢と認知の違い
Japan In-depth / 2024年7月22日 9時28分
-
21300ccの大型バイクが橋から転落、死亡したのは52歳の男性と判明…3人でツーリング中に先頭を走行 北海道で大型バイクの事故相次ぎ、2日間で3人死亡
北海道放送 / 2024年7月22日 10時44分
-
3「妨害するつもりはなかった」“ひょっこり”運転の男 初公判で起訴内容を否認
チバテレ+プラス / 2024年7月22日 18時15分
-
4大規模な新幹線トラブル、今年に入り相次ぐ 停電、オーバーラン、油漏れと原因さまざま
産経ニュース / 2024年7月22日 15時29分
-
5東海道新幹線、運転見合わせ=浜松-名古屋で終日―保守車両脱線、2人けが
時事通信 / 2024年7月22日 22時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)