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人生100年時代の目線 その4 介護保険4半世紀、新たなビジネスモデルの構築

Japan In-depth / 2024年4月15日 16時51分

■ 地域包括ケアシステム理念の明確化





4半世紀を迎える公的介護保険だが、近年、地域包括ケアの重要性が強調される。分かりにくい用語だが、要は医療と介護の連携、高齢者が住み慣れた地域で自立して生活を営むことが出来るような体制・システムの確立と言うことだろう。





巨大企業の生・損保などが大手介護企業を買収、傘下に入れる本格参入が進む。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)などが首都圏や大都市周辺に多く建設される。介護保険が適用される介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)は都道府県の指定事業者認定が必要だが、適用外の有料老人ホームもある。またサ高住は訪問介護併設型や外部からの介護保険導入型もある。介護保険が適用される特定施設入居者生活介護のサ高住タイプもある。他都市、自治体からの入居者は住所地特例で、移住前の自治体介護保険が適用される。





新聞広告などではこれらの違いや特性は分かりづらい。選択する場合は介護ケア付きか、介護相談などのサービスが中心なのかなど機能や、入居に際しての費用などもそれぞれタイプによって異なるので注意が必要だ。





大企業の異業種参入は雇用の安定や、最先端の経営方式、AIやDX(デジタル・トランスフォーメーション)、介護ロボットの導入なども期待される。





一方で地域に根を張り、在宅介護を支えてきた訪問介護事業者は倒産が増え、訪問介護報酬の減額で苦境に立つ。社会で守る介護保険の理念、在宅重視の原点を思い起こし、草の根介護を枯らせずに灯を守りたい。





誰しも、いずれ介護ケアが必要になる。そのために公的介護保険がある。





被保険者にとっては、元気な時には実質、掛け捨ての介護保険料も、困った時にニーズに合った対応がしてもらえるならば、保険料を強制徴収されても納得感がある。





要介護者にも軽度から重度までのランクがある。身体的ケアとともに認知症などへの対応も重要になる。また在宅でも身近に頼めるヘルパーがいて、経済的に可能なら、有料老人ホーム、サ高住などの居住施設も選べる。家族や本人の希望で、社会福祉法人や医療法人が経営する老人保健施設や特別養護老人ホーム、介護医療院などの施設介護が必要になる重度の要介護者もいるだろう。政策的な介護報酬改定や指定事業者の規模、経営形態の調整は必要だろう。





4半世紀を迎える介護保険には、地域包括ケアシステム理念の明確化と、施設・在宅介護の有機的連携や適正配分、そのための国や自治体の政策的制度支援が何より必要になる。





(その1、その2、その3)





トップ写真:ストレッチを行う年配の女性と介護士 出典:gettyimages/Satoshi-K




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