「つばさの党」逮捕は想定内? ネットが助長する政治の劇場化
Japan In-depth / 2024年5月19日 10時0分
小池氏は、東京都議会をブラックボックスと評し、対立軸を明確にしてそれに挑む改革者としてのイメージ戦略を展開、圧倒的な「小池旋風」を巻き起こし、都知事になった。石丸氏もその手法を踏襲したわけだ。違いはネットを駆使し、1地方自治体の知名度を全国区に引き上げたことだろう。もっとも自身の掲げた政策は議会の反対にあって実現せず、対立だけが固定化した。その石丸氏が2期目を待たずして東京都知事選への立候補を表明したことは、ある意味こうしたネットによる政治の劇場化の流れの一つであろう。
■ ネットでの熱狂は政治を変えるか
こうした劇場化は政治を変えるのだろうか?
東京15区補選の結果、つばさの党の候補者は最下位、1,110票に沈んだ。メディアがこぞって報じたおかげで党の知名度は上がったが、票は取れず、その後公職選挙法違反の疑いで逮捕されるに至った。結局、彼らのやろうとしていたことはなんだったのか、わからなくなっている。
ネットはたしかに情報の拡散を容易にした。誰もが発信者であり、メディアとなりうるのが現代だ。有権者は、新聞を購読しなくなり、テレビをリアルタイム視聴しなくなった。伝統メディアの死、という人もいる。しかし、プラットフォーマーが流すニュースの見出しは、今でも新聞、テレビのそれだ。
つばさの党のyoutubeやXを見て熱狂していた人は投票に行かず(そもそも東京15区の有権者でなかった人も多かったろう)、ただエンタメとしてその過激な主張を楽しんでいただけではなかったか?だとしたら、既存政党の支配を「ぶっ壊す」ための戦略を練り直す必要があるだろう。少なくとも国政に人を送り込む気があるのなら。
ネットは政治の世界では万能でもなんでもない。知名度をネットで上げるのと、議席を獲得することは、かならずしも一致しない、ということを今回の一連の事件は私たちに知らしめたといえるのではないか。
トップ写真)衆院補選東京15区で候補者の演説を聴く有権者ら 2024年4月13日 東京都江東区豊洲
ⒸJapan In-depth編集部
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
つばさの党・黒川敦彦被告ら初公判 地裁前に支援者50人集結も「政治生命の危機」
東スポWEB / 2024年11月21日 6時4分
-
他候補を大音量で詰問した「つばさの党」、黒川敦彦代表「正当な政治活動で妨害ではない」…初公判で無罪主張
読売新聞 / 2024年11月20日 21時45分
-
「意味ある行為だ」持論30分 つばさの党代表ら選挙妨害で無罪主張
毎日新聞 / 2024年11月20日 20時31分
-
「ネットとリアルの融合」で躍進した国民民主党、研究したのは石丸伸二氏 SNSと人流データが示す今後の選挙戦略とは?【データ・インサイト】
47NEWS / 2024年11月16日 11時0分
-
石丸伸二氏、来年の都議選へ新党結成宣言…勝算あるのか 毒舌ぶり健在、国民民主・玉木代表を「アホ」イジる一幕も
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月13日 11時35分
ランキング
-
1「壊してもらいたい」“心霊スポット”化した廃病院で相次ぐ不法侵入などの迷惑行為 行政や警察が介入できない理由は… 新潟・糸魚川市
BSN新潟放送 / 2024年11月23日 13時44分
-
2兵庫女児刺傷事件には入念な計画があった 下見に数カ月、防カメの位置は把握と容疑者
産経ニュース / 2024年11月23日 7時20分
-
3【続報】自民・田畑議員巡る疑惑 無断党員登録 複数の事業所で
KNB北日本放送 / 2024年11月22日 20時37分
-
4【判決】“不倫を続けるため殺害” 妻と1歳の娘を殺害した男に無期懲役 裁判長「酌むべき点は皆無」と断罪 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月22日 19時22分
-
5百条委員長がN党立花氏を告訴=SNSなどで名誉毀損容疑―兵庫
時事通信 / 2024年11月22日 22時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください