サター氏に聞く その4(最終回)尖閣はどうなるか
Japan In-depth / 2024年6月1日 19時0分
トランプ大統領自身もロシアの侵略を非難しながらも、ウクライナ支援のあり方に懐疑的のようです。しかし、この種の主張は同盟国や友好国を助けるというアメリカの決意を揺らがすことになります。中国側からみて、アメリカはウクライナを支援すると誓約しながら、結局は途中で政策を変えた、ということになります。他の国からみても、アメリカへの不信を生むでしょう。この支援の誓約の撤回というのは台湾に対しても同じかもしれない、という推測を招くわけです。
ただし、ウクライナ支援に懐疑的な勢力も含めて、トランプ陣営側には中国軍と戦っても台湾を守るべきだという主張が強いようです。」
——(古森義久)最後に日本の尖閣諸島への中国の軍事がらみの攻勢、常時の侵入をどうみますか。
ロバート・サター「中国にとって完全に軍事攻撃作戦なのか否か曖昧だという意味で、現段階ではなお『灰色の領域』ですね。ただ、中国はその領有権主張は決して揺るがせない。当面は多様な圧力や挑発で日本側、その背後にいるアメリカ側を揺さぶり続け、反応をみるでしょう。
この点、南シナ海におけるフィリピンと領有権を争う島々で、中国はいま軍事がらみの攻勢をかけています。フィリピン政府は日本とは対照的にその中国の行動を不法として全世界に幅広く宣伝しています。その国際広報はかなり効用があるでしょう。
日本は一方、沈黙を保ったままですが、万が一、中国が武力で尖閣諸島の奪取に出てきた場合、断固として反撃する軍事的な能力と意思とを示しておくことが当面は現実的な抑止策だと思います」
(終わり。その1、その2、その3)
*この記事は月刊雑誌WILLの2024年6月号掲載の古森義久氏の寄稿の転載です。
トップ写真:軍事演習で台湾軍がCM-21を操縦する様子(台湾台東市、2024年1月31日)出典:Photo by Annabelle Chih/Getty Images
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