アジアでの米軍の弱点とは
Japan In-depth / 2024年6月4日 11時0分
・インド太平洋地区の米軍の要衝グアム島や北部マリアナ諸島、さらに日本の沖縄、韓国にいたる米軍基地の空軍機、海軍機の中国の攻撃に対する防衛は不十分であり、ほとんどの基地で格納庫の堅固化や地下壕の建設がなされていない。
・この10年で中国軍は軍用機の格納庫堅固化や地下壕建設を合計約400ヵ所で実施したが、米側は同時期の同様措置は22件にすぎない。中国は爆撃機やミサイルでの米軍基地の軍用機破壊の能力を高めている。
・米側の最近の米中戦争の模擬演習(シミュレーション)では米軍のインド太平洋地域の軍用機全体の90%が中国側の攻撃で地上で破壊されるという結果が出た。
バイデン政権の2024年度国防予算は同地域の航空基地のインフラ建設などへの支出こそあるが対空防衛の措置用の経費はない。同書簡はバイデン政権の対中軍事政策を不十分だと非難し、米側航空基地の防衛が弱体だと強調していた。
中国との戦争を現実の可能性とさえみるこの種の切迫した脅威認識はアメリカ議会では民主党側議員の多くも共有する。その一例が前述の超党派の公聴会なのである。そしてなによりも、その種の米中軍事衝突は日本への波及も不可避であることを改めて認識すべきだろう。
*この記事は日本戦略研究フォーラムのサイトに掲載された古森義久氏の寄稿の転載です。
トップ写真:UH-60 ブラックホークがフィリピンのヤミ島に到着した時の様子(2023年6月29日)出典:Photo by Ezra Acayan/Getty Images
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