トランプ氏有罪評決、大統領選への影響は?
Japan In-depth / 2024年6月5日 9時14分
筆者が気になったのは、今回会合のサイドラインで、日米韓3カ国の防衛大臣が会談し、3カ国の共同訓練の拡充で一致したことだ。北朝鮮だけでなく、中国も念頭に置いた地域の軍事的脅威を抑止する方策を整える、とも報じられた。尹政権の下で韓国も少しずつ変わりつつあるのだなぁ。それにしても、隔世の感がある。
続いては、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。
6月4日火曜日 インド総選挙結果発表
スロベニア、パレスチナ国家承認決議を検討
米国防長官、カンボジア訪問
パキスタン首相、訪中(5日間)
(ちなみに、この日は天安門事件が起きた日、欧米人には関係ないのかねぇ)
6月4日 水曜日 NATO事務総長、フィンランド訪問
6月6日 木曜日 Dデー80周年記念式典に米仏大統領ら各国首脳が参列
国連総会、新議長を選出
6月7日 金曜日 アイルランド、 地方選挙
6月9日 日曜日 ブルガリア、ベルギーでそれぞれ議会選挙
6月10日 月曜日 BRICS外相会合(ロシア)
最後は定番のガザ・中東情勢を書いておく。先週は「ガザをめぐり人質解放と停戦に向けた交渉は長期化するだろう」と書いたが、先週末に米大統領が絶妙のタイミングで新たな停戦案を公表したことで、再び交渉進展の可能性が僅かだが出てきたようだ。でも未だ予断は許されない。こう考える背景とその問題点を纏めてみよう。
●バイデンは今回の案を「イスラエルの案」と述べたが、イスラエルが作ったなら、なぜネタニヤフが発表しないのか?それはネタニヤフが発表したくないからだ。
●ネタニヤフは現在微妙なバランスで維持されている連立政権を壊したくない。ネタニヤフが賛成すると言った途端、超強硬保守派閣僚数名が連立を離脱するからだ。
●この案は米イスラエルだけでなく、恐らくはサウジ、エジプト、カタルなど、イランの台頭を快く思わないアラブ諸国も加わって、入念に作り上げられたものに違いない。だが、ネタニヤフは「オウンゴールになる」ので自分では決めたくない。逆に、これを決めないと、今度は(ガンツの如き)連立内穏健派閣僚が離脱しかねないのも事実だ。
●合意案は内容的に3つのフェーズからなるというが、報じられたものが全てではないはず。全てを出したら、恐らく纏まらないだろうからだ。悪魔は詳細に宿るものだ。
●第一段階の肝は「戦闘の一時停止」「イスラエル軍の人口密集地からの撤退」「人質の一部とパレスチナ囚人との交換」だが、どれもキワモノである。
●「戦闘一時停止」は「全面的かつ完全」というが、実は「戦闘はいつでも再開可能」「残りの人質はまだ帰らない」ということ。ハマースもイスラエルも満足できない。
●第二段階では漸く「敵対行為の恒久的停止」となるが、ハマースは良くても、イスラエル軍は一体どうするのか、更に、第三段階でガザは誰が統治するのか???
●停戦の有無は今後一週間の動き、特にネタニヤフの決断力(または非決断力、というか、優柔不断)に掛かっている。期待すると裏切られるのが中東だから、期待しないで待っていよう。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する
トップ写真:トランプタワーに到着するトランプ元大統領(2024年5月30日)出典:Photo by James Devaney/GC Images
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