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物理学の「2024年問題」タイムトラベル論争も時間の問題?その1

Japan In-depth / 2024年6月24日 15時25分

さらには英米の研究者たちが、時間はどうして過去から現在、そして未来へと、弓から放たれた矢のように一方向にしか進まないのかという、物理学上の未解決問題=世に言う「時間の矢」について、やはり量子もつれのなせる技ではないか、と開陳している。





量子もつれという現象自体は結構前から確認されており、これを利用したのが量子コンピューターである。





これはご存じの読者も多いことと思われるが、従来型(=既存)のコンピューターは、電圧を増減させることにより、0と1の組み合わせでもって、あらゆる演算を実行する。





したがってコンピューターの性能の向上は、もっぱら半導体技術の進歩によってもたらされてきた。





米国の宇宙船アポロ11号が初めての月着陸に成功したのは1969年のことだが、管制センターのコンピューター・ルームは、ちょっとした体育館ほどのスペースがあった。今では手軽に持ち歩けるノートパソコンでさえ、同等以上の能力を持っていると言われている。





とは言え、基本原理が前述のように0と1を用いた演算である限り、性能の向上も、いつかは限界を迎えざるを得ない。





この点、量子コンピューターは、煎じ詰めて言えば量子もつれによって「1と0が同時に存在する状態」で、なおかつ複数の演算を同時に行えるため、現在のスーパーコンピューターでさえ膨大な時間がかかるような計算を、ごく短時間で行うことが可能だと考えられたのである。





しかしながら、量子もつれの現象にはまた、外部からの干渉に対して非常に脆弱だという問題がある。言い換えれば、ちょっとした気温の変化でさえ、計算ミスの要因となり得るのである。





そこで、ミスを素早くし修正するシステムの開発が急がれたが、ここへ来て画期的な技術が相次いで提案されたことから、前述のように、2024年は量子コンピューターの開発史において、特筆される年になるのでは、などと言われているわけだ。





タイムトラベル論争についてはどうなのかと言うと、これまでは、そもそも時間とはなにか、という定義づけがいまひとつ明確にならないまま、過去や未来に移動することは果たして可能か、という議論を続けてきたきらいがあった。





当方「ド文系」ではあるのだが、果たして時空を越えることが可能なのか、可能であるとして、その場合、歴史や文化の連続性はどうなるのか……こうした議論は、本当に興味が尽きなかったので、その方面だけはずっとフォローし続けている。





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