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【都知事選、本当の争点】⑥どこにいった?!東京大改革 小池さんの公約に「もっと」必要なもの

Japan In-depth / 2024年6月29日 23時0分

■ 問題は3つ





しかし、問題がある。第一に、具体性に欠ける。事業をどれくらい、どの程度やるのか、何につなげるのか、まったくもってわからない。2年で48億円のプロジェクションマッピングなどいつの間にか都知事肝いりの事業は予算が膨らみがち。





第二に、目的である。「そもそも現状はこうなっていて、だからこうした政策が必要」というロジックが明確ではない。お金がある自治体のため、曖昧な目的の事業がふんだんにある。そうした中で、見直しが進まない1つの理由といえよう。プロジェクションマッピングもそう。盛り上がってきれいです、以上!という感じだ。目的達成度はこれくらいで、投資対効果を数字で説明できない、納得してもらえない。ダッシュボードやアプリなど手段は豪華であり、たくさんあるけど、「何のため」の視点が欠けている。





第三に、現場に寄り添っていない。フッ素化合物のPFOS、PFOAの問題は国が最近全国調査を進めるようになったが、東京都にとっては最大の問題である。横田基地からの流出もだが、地下水にも含まれているなど、国分寺市などでは大きな問題になっている。本来なら都が主導するべきなのに、どちらかというと後ろ向きであった。





そのほか、観光公害・オーバーツーリズム。東京の混雑で我慢の限界にきている都民も正直多いのではないか。筆者は東京都の過密化防止を訴えているが、なかなかその点、都での生活者感覚は見受けられない。





■ 検証できない政治に意味がある?





達成責任を問われて、数字は並べるが、その根拠や達成度も不明。GovTECHつくりました!シン・東京を進めました!DXなどの取り組みなどは画期的ではあるが、オープンさはどこかに行ってしまったし、よくわからない「目立つ」事業も増えた。





確かに過去の都政よりはそれよりかはかなりましになった。しかし、「東京大改革」で期待していたのは、これまでの行政と違う姿である。筆者が提起した以下の「7つの条件」は条件を満たせていない。





【条件1】東京都の利権構造にメスが入る

【条件2】特定の既得権益の方々が利権をむさぼらない

【条件3】政策立案過程がオープンにされている

【条件4】情報公開が十分されていて政策検証ができる

【条件5】客観的な評価に基づくワイズスペンディング(賢い支出)、適切な予算が執行される

【条件6】都民の満足度や納得度が高い

【条件7】環境や子育てなど先進的な政策を推進する





投資対効果、事務事業評価の基本、双方向の対話、納得いくまでの説得コミュニケーションなどは課題であろう。毎回こんなことを言わせないでほしいものである。小池さんに改善を期待したい。





<注>本文は筆者の専門家としての意見であり、公平中立に評価したものです。これら意見は、所属組織には関係ありません。





(つづく。①、②、③、④、⑤)





トップ写真:小池百合子都知事(2024年6月19日 東京千代田区日本記者クラブ)出典:Yuichi Yamazaki - Pool/Getty Images




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