米大統領選、民主党「進むも地獄、退くも地獄」
Japan In-depth / 2024年7月3日 10時57分
【まとめ】
・米大統領選討論会でバイデン氏は、候補者として大きな政治的ダメージを受けた。
・バイデン氏以外の候補が大統領選でトランプ氏に勝利できる可能性は極めて低い。
・民主党にとっては「進むも地獄、退くも地獄」。
「今週は忙しくなりそうだ」と先週書いたが、文字通りそうなってしまった。米大統領選のTV討論会、イラン大統領選挙、フランス議会選挙が続いた上に、NHKの「キャッチ!世界のトップニュース」という番組に出演する機会も得た。そのためか、原稿の仕上がりが遅れてしまったことをまずはお詫び申し上げたい。
さて、米大統領選のテレビ討論会だが、結果は「予想通り」というか、「だから言わんこっちゃない」というべきか、民主党関係者にとっては最悪の結末となった。6月27日の討論会でのバイデン候補のパフォーマンスは、要するに「老醜」、大統領選候補者として実に大きな政治的ダメージを受けたからである。
早速ワシントンではバイデン候補の出馬辞退を求める声が出始めているが、それは如何なものかと思う。バイデンに代わる候補を出したいという気持ちはわからないではない。でも、今ここで民主党がバイデン氏に代わる新たな大統領候補をゼロから擁立するには、ちょっと時間が足りないのではないかね。
他の能力はいざ知らず、トランプ氏の「個人攻撃」や「ネガティブキャンペーン」能力はピカ一である。民主党の代替候補が誰になっても、その人物の「身体検査」はこれから、しかも徹底的に始まるのだ。されば、バイデン氏以外の候補が11月の大統領選挙でトランプ氏に勝利できる可能性は極めて低いと思わざるをえない。
要するに、民主党にとっては「進むも地獄、退くも地獄」である。それでは、これでトランプ氏が楽勝かといえば、それも違うだろう。バイデンが次期大統領として相応しくないことは、トランプが相応しいことを必ずしも意味しないからだ。共和党はもちろんだが、民主党政治の「劣化」も予想以上に深刻なようである。
続いてはフランスの総選挙だが、これも仏政治の劣化を象徴する事態となった。報道によれば、国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票の暫定結果は、右派政党「国民連合」(RN)が共闘勢力を含め得票率33.1%で首位、左派連合が27.9%で二番手となり、マクロン大統領の中道与党連合は何と第3位の20.7%に止まった。
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