中国の「過剰生産能力」を巡る議論
Japan In-depth / 2024年8月15日 17時0分
恐らく米国もイランに対し、米軍直接介入の可能性を仄めかしているだろう。「早ければ今週中にも」イラン側の報復があると米国筋は見ているらしいが、状況は流動的であり、予測のしようがない。イラン側も「イランは主権を守るために認められた権利を行使し、誰の許可も求めない」と言っているそうだ。これに嘘はないだろう。
以前から申し上げている通り、イランとイスラエルの一方もしくは双方が「誤算」を犯せば、最悪の場合、中東全域での大規模な衝突・戦闘に発展する。その場合、紅海だけでなく、ペルシャ・アラブ湾岸水域までもが戦闘区域となる可能性は否定できない。戦争の多くは「誤算」から始まるのだが、今回はその例外であることを祈ろう。
最後に殺害されたハニーヤ最高幹部について一言。ハニーヤは1962年、ガザの難民キャンプ生まれ。ガザ・イスラーム大学でアラビア文学を専攻し、87年に卒業したが、89年から3年間イスラエルで投獄され、92年にはレバノンに国外退去させられている。
ところが93年にはガザに戻り、イスラム大学の学部長に任命され、97年にはアフマド・ヤースィーン事務所の責任者に指名された。要するに筋金入りの反イスラエル活動家なのだ。その後多くの同志が殺害される中、ハマース内でのハニーヤの地位は徐々に高まっていったそうだ。
2024年4月、イスラエル軍はガザで作戦部隊に所属していたハニーヤの息子3人を殺害し、孫4人も死亡したという。さらに6月にはイスラエル軍によるガザ地区への空爆により、親族10人も死亡したと報じられた。残りの親族の中からハニーヤの後継者が育っていくことだけは間違いなかろう。これでは戦闘は永久に終わらない。
何度も言うが、ネタニヤフは11月の米大統領選まで下手な妥協はしないと決めているのではないか。万一、停戦が成立すれば、次に問われるのはネタニヤフ自身の政治責任だからである。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:習近平国家主席と代表団がイタリアのジョルジャ・メローニ元首相と会見する様子(2024年7月29日、北京)出典:Photo by Vincent Thian - Pool/Getty Image
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
監視社会の闇で深まる悲劇:中国で相次ぐ無差別殺傷事件
Japan In-depth / 2024年11月20日 23時0分
-
【本誌独占インタビュー】トニー・ブレア英元首相が語る「中東和平への道」
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月20日 16時23分
-
米大統領選、「例外主義」の終わりの始まり
Japan In-depth / 2024年11月13日 11時0分
-
米大統領選、選挙結果は今週中には確定しない
Japan In-depth / 2024年11月5日 22時0分
-
与党過半数割れで示唆されるポピュリズムの影
Japan In-depth / 2024年10月30日 14時56分
ランキング
-
1「スギ薬局」が別患者の薬混入し女性死亡 遺族に調剤ミス認め、4000万円支払いで和解
産経ニュース / 2024年11月22日 17時29分
-
2【判決】“不倫を続けるため殺害” 妻と1歳の娘を殺害した男に無期懲役 裁判長「酌むべき点は皆無」と断罪 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月22日 19時22分
-
3日本一の納豆は?消費量が全国46位の大阪で『全国納豆鑑評会』 会長「納豆のおいしさに、まだ目覚めていただいていない」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時0分
-
4大阪・貝塚市の港 両脚縛られた遺体は大阪市の26歳男性と判明 両親は「将来の夢を持って、毎日頑張っていた」
MBSニュース / 2024年11月22日 16時5分
-
5新潟市南区妻子殺害事件 被告の男に無期懲役の判決 新潟地裁
BSN新潟放送 / 2024年11月22日 15時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください