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不法入国の少年団による強盗 ニューヨークの悩み

Japan In-depth / 2024年8月20日 10時59分

不法入国の少年団による強盗 ニューヨークの悩み




古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・ニューヨーク市で不法入国した少年たちによる強盗団が逮捕された。





・主犯はわずか11歳のベネズエラ出身の少年だった。





・地元紙はこの少年を「ベビーフェイスをした移民の泥棒」と評し、バイデン政権の国境警備をずさんだと評論した。





 





いまアメリカ社会は不法入国者の奔流のような大量流入に悩まされている。入国管理の甘い民主党バイデン政権の政策の結果だとされるから、いまの大統領選挙への影響も大きい。そんななかでニューヨーク市で不法入国した少年たちによる強盗団が逮捕された。地下鉄車内での強盗だった。そしてなんとその主犯はわずか11歳のベネズエラ出身の少年だったというのだ。不法入国者問題の悪の波紋を凝縮したような事件として全米に衝撃を広げている。





ニューヨーク・ポスト紙などアメリカ側の報道機関によると、この少年強盗団事件はニューヨークの現地時間で8月13日の火曜日午後8時40分ごろに起きた。舞台は市内のクィーンズ地区からマンハッタン地区に向かう地下鉄車内だった。乗客の24歳のアメリカ人青年が突然、4人ほどの少年に囲まれ、持っていたスマートフォンを奪われた。IT企業に勤務するというこの青年がスマホを奪い返そうとすると、少年たちに頭や顔を殴られ、少年たちはスマホを持って逃走したという。





事件直後、被害者から届け出を受けた警察は敏速に動き、この少年たちがマンハッタン地区の不法入国者収容所付近に盗品を持ったままいることを突きとめ、逮捕した。





調べの結果、少年4人はみなベネズエラ国籍の不法入国者で、年齢は11歳から17歳まで、しかも驚いたことにそのうちの11歳の少年が地下鉄内でのスマホ奪取ではその犯行での被害者の襲撃や事前の計画でも主犯だったことが確認された。この11歳の少年は他の強盗事件にもかかわり、その際の盗品のクレジットカードを使用しようとした行為が防犯カメラに写されたことも判明した。





警察当局はこの11歳の少年を逮捕し、手錠をかけて連行した。その動きは小柄の少年が後ろ手錠をかけられ、大柄な警官に連行されてパトロールカーに乗せられる瞬間を写真に撮られ、ニューヨーク・ポスト紙の第一面に大きく掲載された。少年は白いTシャツに黒いショートパンツ、靴もきちんとしたものを履き、一般のアメリカ少年との区別ができない外見だった。





ニューヨーク・ポストの報道によると、この少年は同じベネズエラからメキシコ経由でアメリカに密入国してきた他の少年たちと犯罪集団を組織して、ニューヨーク市内で強盗や窃盗、ひったくり、万引きなどを繰り返してきたという。同紙はこの少年を「ベビーフェイスをした移民の泥棒」と評して、バイデン政権の国境警備をずさんだとする評論をも載せた。





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