若者全体に共通する危機感・連帯感はどこに?
Japan In-depth / 2024年8月21日 23時0分
筆者は3か月前の5月、今の米国の若者世代には若者全体に共通する危機感・連帯感がないと書いた。実際にシカゴでは反イスラエル、親パレスチナのデモ行進があったらしいが、小規模で殆どニュースにもなっていない。若者世代全体の共感が得られない現象は、全世界共通なのか、それとも、日本ではまだ発生していないだけなのか。ここでも日米間のギャップは決して小さくないようである。
続いては、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。但し、今週も夏枯れは変わらないようだ。
8月20日 火曜日 マレーシア首相、二日間のインド訪問終える
日本・インド2+2会合、ニューデリーで開催
8月21日 水曜日 中国国務院総理、二日間の訪ロを終え、ベラルーシへ
インド首相、ポーランド訪問(2日間)
インドネシア中銀、金利決定
8月22日 木曜日 トルコと韓国の中銀、金利決定
8月24日 土曜日 イスラエルの人質帰還運動がテルアビブで集会
8月26日 月曜日 アフリカ各国の保健相、コンゴで開かれるWHO(世界保健機関)アフリカ部会会合に出席
トンガ、太平洋島嶼国フォーラムを主催(一週間)
最後にいつものガザ・中東情勢だが、今週も焦点は、先週と同様、イランの対イスラエル報復攻撃の有無とそのタイミングだ。7月31日にハマース政治部門の最高幹部ハニーヤ氏がテヘランで殺害され、イランがイスラエルへの報復を宣言してから既に3週間も経つのに、イランは公言した「報復」を未だ実行していない。
先週は「あれから一週間経っても大規模な動きがないということは、イラン国内でもかなり意見が分かれているのだろう」と書いたが、それは事実だろう。実際、先週になってイラン筋は、ガザでの「停戦交渉」の結果次第ではイランの対イスラエル報復攻撃は行わないかもしれない、といった怪しげな情報を流し始めている。
常識的に考えれば、現状についてはいくつかの可能性があり得る。
第一は、イスラエルに大規模報復を行っても、イランは得るものより、失うものの方が多いことを理解している、との見方だ。だが、仮にイランが対米直接戦闘を本気で回避したがっているとしても、だからと言って、イスラエルに「何も報復しない」という選択肢を取るとは到底思えない。
第二の見方はより楽観的で、ハマースも本音は停戦を望んでおり、何とかネタニヤフ政権から停戦当為成立後のイスラエル軍「ガザ撤退」を勝ち取ろうとしているとの見方である。さーて、どうだろうか。イランもハマースもそれほど追い詰められてはいないのではないか。どうも、米側から流れてくる情報は楽観的過ぎるものが多いようだ。
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