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ボストン・ウェルネス通信 その12 GLP-1受容体作動薬、長期的な成功の鍵

Japan In-depth / 2024年9月3日 14時30分

 この臨床試験では、前糖尿病と肥満、その他の体重管理の問題を抱える成人 1,032 名が調査(多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験)の対象です。176 週間の治療期間と、それに続く 17 週間の治療休止期間 (合計 193 週間) で評価します。参加者はカロリー制限食、定期的な運動習慣を指示されました。ちなみに72 週時点での解析結果は、2022 年の 医学誌New England Journal of Medicine に報告されています。


 チルゼパタイドを投与した参加者は、毎週 5 mg、10 mg、または 15 mg の注射、その他の参加者はプラセボが投与されました。結果、176 週間にわたりチルゼパタイドを投与した参加者は、2 型糖尿病への進行リスクが94% 減少しました。


 また、15 mg 投与を受けた参加者は体重が平均約 23% 減少、10mg 投与を受けた参加者は平均約 20% の体重減少、5mg 投与を受けた参加者は平均約 15% の体重減少が見られました。


 ただし176週間後にチルゼパタイドの投与を中止した参加者は、体重が戻り始めて、17週間の追跡期間中に2型糖尿病への進行の兆候も見られました。


 専門家らは、これらの薬が効果的であることには同意していますが、「イーライリリーの治験における治療後のデータは、減量は長期的な取り組みであるという考えを裏付けるもの」、そして「健康的な食事と定期的な運動による長期的な減量への取り組みを推奨」(2)しています。


 さてBさんはカウンセリング後、「今日からランニングをスタートします。ランニング×GLP-1の効果を検証します」と言い切りました。運動習慣を復活させることを決心したようです。まずは無理なくランニングを始めて、長期的な減量と目標体重に達した後の体重維持を目標としました。


● 運動や食事で、自然にGLP-1の分泌を改善


 まだまだ、身体活動とGLP-1の関係はわからないことが多いものの、短期および長期の運動トレーニングは、GLP-1の分泌を改善することが示唆されています(3)(4)(5)。


 また、全粒穀物や野菜のような食物繊維の多い食品は、たんぱく質や健康的な脂肪を多く含む食品とともに、GLP-1の分泌を促進します。例えば、2016 年の報告(6)によると、卵、アーモンド、ピスタチオ、ピーナッツ、食物繊維の多い穀物(オーツ麦、大麦、全粒小麦など)、アボガドなどはタンパク質と健康的な脂肪が豊富にあり、GLP-1 の分泌に役割を果たす可能性があります。


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