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オレンジキッズケアラボのコミュニティと専門性が作るゼロイチ体験

Japan In-depth / 2024年9月5日 23時46分

オレンジキッズケアラボのコミュニティと専門性が作るゼロイチ体験




小坂真琴(医療法人社団オレンジ オレンジホームケアクリニック医師)





【まとめ】





・ケアラボが、医療的ケア児とその家族が海水浴に行くイベント「シーラボ」を開催。





・ケアラボは医療的ケアが必要な子どもたちに個別支援を行い、家族との連携も重視している。





・こうしたイベントを通じ、医療的ケア児の保護者の孤立感改善につながる可能性もある。





 





8月上旬、20年以上ぶりに海水浴場に行った。福井市鷹巣の海水浴場でオレンジキッズケアラボ(以下ケアラボ)のイベント・「シーラボ(Sea lab)」にスタッフとして参加するためだ。シーラボは、ケアラボに通う医療的ケア児(以下ケア児)とその家族たちが、集まって海水浴に行く夏恒例のイベントだ。当日は快晴に恵まれた。





http://expres.umin.jp/mric/mric_24167-1.pdf





オレンジキッズケアラボは児童発達支援・放課後等デイサービス・生活介護などを行なっている施設である。特徴は、グループ内に医療機関(医療法人社団オレンジ)があり、連携が密に行われていることだ。全国的には、療育や発達支援の施設はケア児の家族が主体となって立ち上げているケースが多いが、ケアラボは在宅医と連携することで、経管栄養や喀痰吸引、人工呼吸器管理といった医療的処置が必要な子どもたちまで幅広く受け入れている。





設立当初から運営に関わる戸泉めぐみさん(代表理事)によると、最も大事にしているのは「本人を主語にして、家族と一緒に伴走できる」施設であることだ。





本人を主語にすることを徹底し、様々なレベルのケア児を受け入れるため、ケアラボでのケアは基本的に1対1で行う。同時に、ケアのみにとどまらず、本人が地域の学校や保育園に通うことが大事だと判断すれば、学校との話し合いにも第三者の専門家として参加し、「ドクターゴー↔︎ドクターストップ)」をかけることで通園・通学を実現してきた。





また、家族と伴走するためには、退院時から関わり始め、「最初に多めにサービスを利用してもらうことが重要だ」(戸泉さん)という。一昔前は重症の子どもが家に帰る時には「お母さんが医師も看護師もしないといけない、頑張るように」と言われていたそうだ。しかし、一度家族でケアが完結してしまうと、その後に改めてサービスを利用して専門家に頼るのはハードルが高いという。ケアラボの関わりは、医療部分を専門家が担い、家族を家族としての関わりに近づけることとも言える。





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