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HPVワクチン無料キャッチアップ接種、今年度末終了 1回目は9月末までに

Japan In-depth / 2024年9月13日 23時56分

こうした現状に門間医師は「8年前から情報が何も変わっていない」とし、「情報格差や健康リテラシーの差がワクチン接種に大きな影響を及ぼしている」と憤る。情報に疎いがためにHPVに罹患するリスクが高まるという現状を変えたいという門間医師の強い思いがそこにある。





来年3月31日に終了してしまうHPVワクチンの無料キャッチアップ接種だが、副反応に関する報道により、厚生労働省が同ワクチン接種の積極勧奨を中止した8年半前の情報からアップデートされず、未だにその接種率は低迷している。





この現状を打開するためには、HPVワクチンを打った人が、日常会話の中で話題に上げることが大切だと門間医師は強調した。





クリニックで夏休みにワクチンを打ち始めた人が多かったことから、夏休み明けに学生の間で、「『ワクチン打った?』とか、『痛かったよね』とか、そういうことが話題に上がれば、知らないうちにみんなワクチン打っていたんだ、という認識が広がることを期待したい」と門間医師は話す。ワクチンを打った人が一人でも多く意思表示すれば、人々が漠然と抱えるHPVワクチンへの不安感や恐怖心を和らげることができるのでは、との思いからだ。





門間医師は、インスタグラムを通して、若い世代に向けてHPVワクチンに関する情報を発信したり、寄せられた質問に回答して若い人たちの疑問を解消しようとの努力もしている。ワクチン接種後に30分間安静にしている時間に「このインスタグラムを見て勉強してね」と声をかけ、若者の健康リテラシーの向上に努めているという。





さて、読者の皆さんは今注目を集めているフジテレビの月9ドラマ「海のはじまり」をご存じだろうか。筆者は門間医師から紹介されて知った。





目黒蓮演じる夏の元恋人である水季は、頸がんでその一生を終えてしまう。その水季の葬式で、夏は海という名の少女と出会い、その子が水季の子どもだということを知る。そして彼女の母親から、自分が海の父親だということを聞かされ、水季が自分の知らないところで、自分との間にできた子供を産み、何も言わず子育てをしていた事実に思いをはせる…というストーリーである。





実はこのドラマの脚本家である生方美久さんは、本作品で最も視聴者に伝えたいことの1つに、他ならぬ「がん検診を受けてほしい」ということを挙げている。若者に絶大な人気を誇る俳優を起用し、テレビという身近なコンテンツを通して、若い世代に子宮頸がんの怖さを伝えるとともに、すべての人が検診を受診でき、また受診しやすい環境が整ってほしい、という思いが込められている。





女の子たちがトイレで繰り広げる女子トークを描写したシーンにおいては「がん検診は絶対受けた方がいいよ」というセリフも登場し、脚本家の強い思いが伝わってくる。このドラマの制作陣の思いが一人でも多くの人に伝わるといいと思った。





最後にもう一度繰り返す。HPVワクチンのキャッチアップ接種対象者が無料で接種を受けるには、第一回目の接種をこの9月末までに済ませる必要がある。だからこそ、自身の健康リテラシーを今一度見つめなおすとともに、よく考えて自身で判断して行動にうつしてほしいと心から願っている。





(了)





トップ写真:ワクチンを打つ学生(イメージ※本文とは関係ありません)出典:Peter Dazeley/ Getty Images




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