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仏新内閣発足 移民問題が最大の課題

Japan In-depth / 2024年9月24日 21時0分

仏新内閣発足 移民問題が最大の課題


Ulala(著述家)


「フランスUlalaの視点」


【まとめ】


・バルニエ氏を首相に新内閣発足。右派色強く、移民問題に力を入れる。


・移民・難民問題への対応が急務。EUとの協調も課題。


・左派からの反発、不信任案提出も。政局の安定化求められる。


 


フランスの新内閣が発足した。7月の国民議会(下院)選挙が終わった後、すぐにパリオリンピックという大きな行事が控えていたこともあり新内閣に移行することが先延ばしになっていたが、9月5日に新しい首相にベテラン保守政治家である中道右派・共和党のミシェル・バルニエ氏(73)が任命され、9月21日夜に閣僚名簿が発表された。バルニエ氏が新首相に任命されてから新内閣メンバーの発表までにかかった日数は16日。1958年に始まった第5共和制史上、最も長い日数がかかったものの、これでようやく政治の空白期間に終止符が打たれたのだ。


 


■ フランス新内閣は、右派色の強い顔触れか


発表された新内閣は、マクロン大統領が率いる与党連合、およびバルニエ氏の所属する中道右派の共和党のメンバーを中心に起用されており、全体的に右派色の強い顔ぶれだ。 社会党党首オリヴィエ・フォール氏も、バルニエ政権について「第五共和制の中で最も右翼」であると評価している 。39人の閣僚のうち、与党連合から12人、共和党のバルニエ氏のグループから10人が選出されている。しかしながら、国民議会(下院)選挙で最大議席となった左派からの閣僚起用は1人にとどまった。


この内閣メンバーを受け、左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」の一翼を担う、極左の「不屈のフランス」を率いるジャンリュック・メランション氏は、「一刻も早く排除する必要がある」と反発。早ければ10月1日に不信任投票を呼びかけると述べた。また、極右の流れをくむ右翼「国民連合(RN)」を率いるジョルダン・バルデラ氏は、この政府には「未来はない」とコメントしているなど、すでに緊張感が高まっている。


 


■ 移民に対する対策強化が念頭に置かれた内閣


この新内閣の特徴は、右派色の強いだけではなく、移民・難民に対応するための人事が行われていることである。当初は、移民省を設けるといった話も出たほど バルニエ政権では移民・難民問題を重視している。


バルニエ氏は移民問題や治安を担当する内相に、共和党の中でも移民に最も厳しいブリュノ・ルタイヨー氏(63)氏を起用した。内相となったルタイヨー氏は、欧州連合(EU)のルールに縛られることなく、フランスに必要とされる移民対策を強化するよう主張してきた人物でもある。閣僚人事を通して、移民の受け入れ規制や治安回復に取り組む姿勢を見せることで国民の不安に答える形だ。


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