なにを今さらキングメーカー(下)本当に「政治の季節」なのか その2
Japan In-depth / 2024年9月28日 10時31分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・自民党総裁選では、小泉、高市、石破の3候補が競っている。
・高市候補が存在感を増し、小泉候補は支持を失いつつある。
・女性宰相の可能性もあるが、自民党内の派閥問題や支持基盤が影響し、真の改革派が不足している。
前回も少し触れたが、自民党総裁選においては、小泉、高市、石破の3候補(それぞれの肩書きについては〈上〉を参照)が優勢だと報じられていたが、20日あたりから、国会議員票でトップを走っていた小泉候補の勢いに陰りが見えはじめ、高市候補が存在感を増してきているという。
「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」
という言葉もあって、まだまだ予想がつきかねるのだが、前述の3候補のうち、誰も過半数を制することはなく、上位2人による決選投票にもつれこむだろう、と見る向きが多い。
総裁選はよく知られるように、国会議員票と一般党員票で決まるが、石破候補について見ると、国会議員票では前期2候補の後塵を拝しているが、一般党員からは安定した支持を得ていると聞く。
前述2候補との比較ということなのか、一般党員(自民党支持層)からは「無難」「常識的」という声が聞こえてくる、と各メディアが報じているが、これを信じる限り、悪く言えば消去法で支持を集めている、ということではないだろうか。
実際問題として、一般有権者(当然ながら自民党支持層も含まれる)を対象に、
「次の自民党総裁にふさわしくない、と思う人は?」
というアンケート調査では、小泉候補が3位、高市候補が2位となっている。くどいようだが、次期総裁に「ふさわしくない」と考えられた順位である。
ちなみに1位は河野太郎デジタル大臣で、世に言うマイナ保険証問題の責任者として、かなり根深い怒りを世間から買ってしまったようだ。
以下、3位の小泉候補から先に見ると、やはり「世間知らずの世襲政治家」だという批判を払拭できていない。一方、当選すれば初の女性宰相の座が確実視される高市候補だが、そうなれば「靖国神社を公式参拝する」という公約が、あまりにも右翼的すぎる、と見られたらしい。
私も個人的には、高市早苗という政治家が自民党総裁選を制し、初の女性宰相の座に就くというのは、いかがなものか、と考えている。
未だ選挙期間中であるから、候補者個人の資質について批判的に取り沙汰するのは差し控えたいが、私が前々から問題視しているのは、彼女が総理総裁になるべきだと強く訴える人たちの思惑である。
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