アメリカ新政権の中国政策はどうなるか その1 トランプ、ハリス両陣営の違いとは
Japan In-depth / 2024年10月18日 23時47分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・ハリス副大統領とトランプ前大統領のどちらが次期大統領になるかで、アメリカの内政・外交が大きく変わる。
・日本にとって重要なのは両候補の対中政策であり、全世界が注目している。
・中国問題専門家ロバート・サター氏、ハリス政権とトランプ政権の対中政策について議論。
アメリカではいよいよ大統領選挙の投票が迫る。民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領と、いずれが2025年1月からのホワイトハウスの新たな主となるのか。どちらが政権を得るかでアメリカの内政、外交は大きく変わる。そのなかで日本側としてとくに気になるのは、それぞれの中国への政策がどうなるか、だろう。トランプ政権、ハリス政権どちらがどのように中国を扱うのか。その展望は全世界が注視しているともいえよう。
この重要課題についてワシントンの中国研究の重鎮、ロバート・サタ―氏と対話をしてみた。サタ―氏はこれまで40年ほど歴代アメリカ政権の国務省、国家情報会議、中央情報局(CIA)などで中国問題を担当してきた中国問題の超ベテランである。現在はジョージワシントン大学教授として中国問題や米中関係について教えている。
私は産経新聞中国総局長として北京に駐在した体験や東京、ワシントンの両方から中国ウォッチを続けた経験を基礎にサタ―氏には長年にわたり定期的に、何回も定点観測のようなつもりで米中関係について見解を問うてきた。今回も大統領選の投票まであと50日以下という9月中旬、サタ―氏とこの課題で話しあった。
古森義久:
「いまのアメリカにとって対外関係ではロシアのウクライナ侵略、イスラエルとハマスの衝突、北朝鮮の軍事挑発など重要課題は多々ありますが、やはり膨張を重ねる中国にどう対応するかが、最枢要な問題だと思います。とくに米中関係のあり方は日本への影響も重大です。新政権の対中政策がどうなるのか、中国との関係が深く、なおかつ紛争を抱える日本にとって同盟国、そして超大国のアメリカが中国をどう扱うかは国家安全保障の根幹にかかわる超重要の要因です。
いまのアメリカの対中姿勢は基本的に強固であり、中国の国際規範に反する対外活動、とくに国際秩序を軍事行動で変えようとするような動きに対しては民主、共和両党共通のコンセンサスといえる共同の態勢があると思います。しかしそれでもなお民主党の現バイデン政権と共和党のトランプ前政権での対中政策を比較すると、かなりの違いもありますね。
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