自民党は阪神のように負けるだろう 「政治の季節」の隙間風 その1
Japan In-depth / 2024年10月21日 14時59分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「政治の季節」
【まとめ】
・石破茂氏は内閣総理大臣に就任してわずか8日後に解散。自民党は支持率低下の中、単独過半数維持が難しい状況。
・石破内閣の支持率は28%で、就任直後としては過去最低。
・自民党は「政治とカネ」の問題に向き合わず、同じ失敗を繰り返している。
15日、衆議院議員選挙(以下、総選挙もしくは選挙)が公示され、すでに各メディアが報じた通り、1日の国会本会議で自民党の石破茂総裁が首班に指名され、第102代内閣総理大臣に就任することとなったわけだが、わずか8日後の9日には衆議院が解散した。戦後最短記録である。
前シリーズで取り上げた自民党総裁選の過程では、衆議院の解散時期についても議論がなされたが、石破氏は「野党と議論を闘わせることが大事」であるとして、早期解散には慎重な姿勢を示していた。
ところが蓋を開けてみれば、戦後もっとも拙速な解散総選挙に打って出たわけで、掌返しだとの批判が沸き起こったのも当然である。
こういうことになったのは、いわゆる裏金問題で逆風に晒される中、新政権誕生の比較的支持率が高い時期(世に言うご祝儀支持率)に解総選挙を実施すれば、野党の準備も整わず、自民党は単独過半数を維持できるのではないか、という党内からの「解散圧力」に抗しきれなかったから、と見る向きが多い。
しかし、世の中はそこまで甘くないので、10日から14日に書けて実施された各種世論調査を見ると、メディアによって数値には多少のバラツキが観られるものの、総じて自民党は大きく議席を減らす可能性が高く、単独過半数を維持するのは難しい情勢であるという。
連立与党である公明党も、議席減は避けられそうもないとされているが、前にも述べたように、「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」と言われるくらいなもので、投票率はじめ不確定な彫塑はまだまだ多い。そもそも調査に回答した人のうち半数近くは、投票先を「まだ決めていない」と答えている。
とは言え、前述の予測を覆しそうな要素がなにひとつ見当たらない、ということも、また事実である。
そもそも、時事通信社が17日に配信した世論調査によれば、石破内閣の支持率は28%で、就任直後に「危険水域」とされる30%台を下回るという、逆風どころではない船出となっているのだ。
首班指名から解散まで8日間というのは戦後最短記録だが、就任直後の支持率としては、今世紀最低を更新した。どこからも「ご祝儀」は来なかった、ということらしい。
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