福島第一原発事故からの13年:医学研究の進展と課題
Japan In-depth / 2024年10月24日 9時49分
福島医大が研究力を強化する上で、大きな働きをしたのは坪倉正治医師だ。原発事故当時、私が指導する東京大学医科学研究所の大学院生だった。福島県浜通りに飛び込み、現地で診療、研究に従事した。2018年4月、竹之下誠一理事長から招聘され、福島医大の教授に就任した。その後、44報の福島原発事故に関する論文を発表している。福島医大内でのウェイトは近年急増しており、2023年に限れば、福島医大から発表される論文の45%に坪倉教授が関わっている。
これは坪倉教授の頑張りもあるが、竹之下理事長の英断に負うところが大きいだろう。研究費削減の逆風の中、若手の有望な人材を教授に抜擢し、研究力を向上させるのは、組織のトップしかできないからだ。
これが福島原発事故の研究発表の現状だ。原発事故の長期的な影響は、世界が関心を抱く問題だ。日本人は、この問題に対する記録を後世に残る義務がある。ところが、現状を見る限り、福島の研究力は尻すぼみだ。国家をあげて、もう少し支援すべきではなかろうか。
トップ写真:福島第一原子力発電所の北側からの空中写真
出典:EyeEm Mobile GmbH/ Getty Images
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